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27(Yside) ページ27

昨日と同じくミツを挟んで横になる

太輔はもうすっかり夢の中

夕方ミツを背負って帰ってきた太輔は、何だか幸せそうで…満足したような顔をしてた





きっと何かあったんだ…





そう直感した

あの時の2人が忘れられなくて、疲れているはずなのに眠れない

ボーっと考え事していたら、隣でミツが何度か寝返りを打っているのに気が付いた





「ミツ…?」

「横尾さん…」





聞こえたミツの声が弱々しくて心配になる





「どうした…?大丈夫?」

「ん……さっきから気になってるんだけど…」





声が震えてる気がして、体を起こしてミツを窺う





「変な声聞こえない…?」

「え?」

「ほらっ!」





耳を澄ます間もなく俺にしがみ付いてくるミツ

俺にとっては昨日に引き続き嬉しいハプニング





「…聞こえないよ?」

「…ぅ…さっき確かに聞こえたんだけど…。」





ミツを抱きしめたまましばらく耳を澄ませてみると





うぅ……





確かに遠くで聞こえる気がする





「…今の聞こえた?」

「うん。」

「…あれ、何?何の音…?」





恐怖で体を震わせるミツが可哀想で…

その体をギュッと抱きしめた





「何かの動物かな?それとも風が強いのかな…」





ミツを怖がらせないように耳元で明るく優しく呟きながら、その小さな背中を擦った





「ミツ、こういうの苦手だもんね。でも大丈夫。俺がこうしてるからね。」

「うん…。」

「このまま眠っちゃっていいよ。」





ミツを怖がらせている声が聞こえないように、そっと腕で耳を塞いだ





「横尾さん…」

「ん?」

「もっと…ぎゅってして…」





素直に甘えてくれるミツに、もう溢れる想いを抑えられなくなった





「いつでも抱きしめてあげる。俺が傍にいて、ミツを守る。だから…ずっと俺の傍にいて…」





俺の言葉がどれくらい聞こえていたかは分からない

長い沈黙の後、俺にしがみ付くミツの手にくっと力が入った事





俺はちゃんと気付いたよ…





少しずつ震えが止まるミツの体

俺の想いが届くように、大切に大切にミツを抱きしめて、俺も目を閉じた





眠りに入る前のふわふわした意識の中…





「ありがと…横尾さん…」





小さく聞こえたミツの声

あれは…夢だったのかな…?



それとも…現実だったのかな…?





.

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作者名:MISA | 作成日時:2015年9月14日 21時

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