Halley ～お気に入り作者登録1500人突破記念～ (ページ24)

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２４（Fside）ページ24

そうだよな

お前は誰よりも負けず嫌い

勝ちたいんだよな…

「…カメラ、回せますか？」

「あ…はい。」

「北山も。立てるか？」

「…うん！」

「じゃあ、俺がヘルプに来たって設定でお願いします。」

木から少し離れた所にスタンバって、カメラのスタートを待つ

「じゃあ、行きますよ。３、２、１…」

「北山ぁ！」

「あ、藤ヶ谷っ！」

「あんまり遅いから探しに来た。何してんの？」

「いや、幻の食材見付けたんだけどさぁ…」

「え？マジ！？」

2人でちょっと芝居する

「でも…あそこなんだよね…」

「あぁ……北山じゃ、届かないよな…」

「うるさいなっ！朝一だったら余裕で届くって！」

「はいはい。今はメリ込んでるからね。いいよ、俺取って来る。」

木のぼりはそんなに得意ではない

だけど、愛しい北山の為

一生懸命木登りした

枝に実った小さな赤い実

それは意外にもあっさり俺の手の中に入った

「……アイツ、余裕で取りやがった…」

木の下で北山が呟いてるのが聞こえる

「ね、あれ、ホントに届かなかったの？」

「届かなかった！」

剥れた北山に大笑いしたところでカメラは止まった

「ありがとうございました。」

スタッフにお礼を言って、北山に背を向けた

「はい、北山背中乗って。」

「え？俺歩けるよ？」

「さっきまで動けなかっただろ？無理して本当に動けなくなったら困る。」

「でも…」

遠慮しているのか恥ずかしがっているのか、なかなか動こうとしない北山

「ここはカメラ回しませんよね？」

「さすがに北山さんの負傷の画は撮れません(笑)」

「な、だから恥ずかしがんなくても大丈夫だって。…それとも、これじゃ届かない？しゃがもうか？(笑)」

少し屈んだ体をさらに低くして、北山の前にしゃがんで見せる

「と、届くわっ！///」

「じゃあ、ほら。」

後ろ手に手を差し出したら、ゆっくりと背中に乗ってくれた

「ちゃんと掴ってろよ。」

「うん…///」

後ろで真っ赤になって照れてるのが分かる

ギュっとしがみ付いてきた北山をもう一度背負い直して、ゆっくりと広場に向かった

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