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23(Fside) ページ23

渉と二人、夢中で魚をさばいていた

ふと顔を上げた時、北山がいない事に気が付いた





「あれ?北山は?」

「あ、ホントだ。さっきまでそこにいたよね?」





渉も今気付いたみたい

キョロキョロと北山を探している

ふと目が合ったスタッフさんが、何やら気まずそうに近付いてきた





「実は…あちらのチームが幻の木の実を見付けたらしくて、北山さんも森に出掛けました。」

「は?」

「1人で行ったの?」

「はい。2人にはまだ言わないでって言われて…」





北山の事だ

浮かれた俺達に言えなかったんだろうな





「ミツ、大丈夫かな…」





空はもう暗くなっている

スタッフが一緒とはいえ、さすがに心配になる





「……探しに行くか。」

「そうだな。」





森は広い

渉と別れて、スタッフとペアになり北山を探しに森に入った





すぐに見つかると思っていたけれど、北山はなかなか見つからない





「一体どこまで行ったんだ?」





振り返り見た景色は、夕日が海に沈む手前…

そろそろ日が暮れる





「やばいな…暗くなったら見付けられなくなる…」





こんな暗い森の中に北山を1人にさせるなんて、俺の方が身が持たない





「北山ぁー!」





大声で名前を呼びながら森に入って行くと、森の奥に小さな光を見付けた





「あれ…カメラのライトですよね…?」

「…その様ですね。」





スタッフと急いで光に向かって走る

目を凝らして見ると、木に凭れて空を見上げる北山の姿が見えた





「北山っ!」





俺の声に驚いた北山が肩をピクリと震わせ俺を見た





「…藤ヶ谷!」

「何やってんだよ!皆心配したんだぞ!」





思わず大きくなった声に、北山は目を潤ませて申し訳なさそうに俺を見上げた





「ごめん…。ちょっと木から落ちちゃって…」

「はぁ?!怪我は?!」

「えへへ。ちょっと腰打っちゃって…」





木に凭れてたのは、動けなかったからか…





「えへへじゃねぇよ。何ですぐに助け呼ばねぇんだよ!大体、あんたが一緒にいて…」





北山に寄り添うスタッフに突っかかろうとした時だった





「藤ヶ谷、違うんだ!俺が連絡しないでって言ったの!」

「は?お前自分が何言ってるか分かってんの?」

「だって…」





見上げた木の上





「あ…」





ライトに照らされた木の実





「ね?少し休んだら、もう一回チャレンジできるかなぁと思って。」





笑う北山を見てたら、もう怒れなかった






.

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作者名:MISA | 作成日時:2015年9月14日 21時

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