第二話 ジレンマ ページ4
――“あの人”の指が、私に。
私の髪に、触れる。
「……ありがとう、ございます」
控えめな声でお礼をする。
嗚呼、身体が震える。
決して、喜びによってでは無く――
あと一年でこの温もりが与えられなくなるという恐怖によって、
身体が震えるのだ。
――嗚呼、私の
寵愛も下賜も総てが嬉しく、悲しい。
「そう言えば、君の両親も暗殺が得意で
それを生業としていたよね」
不意に手が離れ、そんなことを云われる。
温もりを惜しみながらそうですね、と頷く。
私の両親は、どちらもポートマフィアの構成員だった。
2人とも、今は亡き人なのだが。
「…………首領、次の仕事は何ですか」
暗い過去を断つように言葉を発する。
「意欲があるんだねえ。
じゃあ、此れを頼むよ」
近くに置いてあった紙を渡される。
その内容を確認して仕事に向かう。
――もっと使われて、もっと愛されなくては。
今の関係を保つために。
(例えそれが厭なことでも)
290人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蒼(プロフ) - 1でお願いします! 更新頑張ってください!!続き楽しみにしてます!! (2018年4月8日 21時) (レス) id: 7443137317 (このIDを非表示/違反報告)
臣民(プロフ) - みぃさん» 原作第五十話に続くような形で書かせて頂きました。二三回読める話をモットーとしておりますので、深く考えていただけたら嬉しい限りです。更新頑張ります! (2018年4月7日 11時) (レス) id: d39d595e1e (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 最後ので涙がブワッと…エリスちゃぁぁああん!! 更新楽しみにしています! (2018年4月5日 16時) (レス) id: d62fbb3902 (このIDを非表示/違反報告)
臣民(プロフ) - **楼椛**さん» いえいえ!応援有難う御座います。たっぷりお楽しみください! (2018年3月26日 20時) (レス) id: d39d595e1e (このIDを非表示/違反報告)
**楼椛** - 初コメ失礼します!今日初めて拝見させていただいたのですが、とても面白いです(ありきたりな言葉ですみません) 更新頑張ってください!これからも森さんを楽しみにしてます!←← (2018年3月26日 19時) (レス) id: e7e0abd8b6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:臣民 | 作成日時:2017年10月22日 9時