第三十四話 久しぶり ページ42
「お母さん!」
「エリス!」
帰った途端抱きついてくるエリスちゃん。
あれ?遊園地で…あれ?
「ハーマン・メルヴィルってお爺さんが送ってくれたの」
エスパーかな?
「あ、そういえば街がスゴイことになってたんですけど…
何でですか?」
すると、バツが悪そうに顔をそらす鴎外さん。
「な、ん、で、で、す、か」
「あー…あ、芥川君が主に何とかしてると思うよ」
少し強調して言ったら口を開いてくれた。
「でも…君は探偵社に行ったようじゃないか」
今度は私が顔をそらすことになった。
「いいのお母さん。
通り魔を潰せなかったこっちが問題だから」
それはそれで申し訳ない…
するとノックの音。
「入れ」
「失礼します。奥様に」
すると男性が入ってきて私に本を渡す。
「え?奥様って私?」
「え?」
「あー…、いいよ。下がりたまえ」
「は、はっ!」
失礼します、と出ていく。
そして私はある人を見る。
「…鴎外さん?聞いてないですよ?」
「そ、それは」
「何の本?」
エリスちゃんが尋ねる。
鴎外さんの安堵の顔が少し…ね?
「あ、お母さんが入った本だ」
「嘘」
すると取られた本から落ちた手紙。
エリスちゃんは本に夢中なので読む。
『A様へ
御忘れ物です。作者に返し、感想も伝えればさぞ喜ぶでしょう。
ナサニエル・ホーソーン』
し、シンプルだ…。
そして達筆。そして私が返せと。
「ねぇ、お母さん」
「ん?なぁに?」
「この本欲しい」
「ごめんね…エリスでもあげれない。やっぱり持ち主に返さなくちゃ」
「はーい…」
シュンとしてるけど、やっぱりね。
「……ところで、私は何日居なかったの?」
「数えてない」
「そっか」
そういえば、本の中では何も食べれなかったからなぁ…
「……少しお腹すいたかも」
「リンタロウ!」
「もう用意してあるよ!」
相変わらず早い…
でも、それが私の日常だ。
もしかしたら非日常かもしれないけど。
そして、ふと、あの白い鯨が気になった。
…まず、何故空に?
(それは機械だからさ)
―――――――――――――――――――――――――…
漫画派の私は
『後日談で組合が白鯨見る→次(その日)に探偵社のお祝い』
と考えているので、その順番で巡りますよ!
第三十五話 異国と言うより組合だった→←第三十三話 遊戯終了
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臣民(プロフ) - ハニーさん» まだエリスちゃんの正体が明かされていない時でしたからね……。その設定で大丈夫だと思います! (2019年2月3日 10時) (レス) id: d39d595e1e (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 此処でのエリスちゃんッて普通の子供設定なンですか? (2019年2月2日 16時) (レス) id: ec7085eabe (このIDを非表示/違反報告)
エリザベート(プロフ) - 4番希望で!! (2016年9月1日 12時) (レス) id: 4126f800ee (このIDを非表示/違反報告)
みるの - 4を希望します! (2016年8月31日 1時) (レス) id: ae8c0f0041 (このIDを非表示/違反報告)
夜月☆彩(プロフ) - 1が読みたいです! (2016年8月30日 22時) (レス) id: 89f03b0b28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:臣民 | 作成日時:2016年7月28日 22時