【文豪ストレイドッグス】幼女に「お母さん！」と言われた

第十八話　ポンッ ページ26

「うっ」


うめき声を上げる。
絶対固い物の上に落とされた。


「どこ此処…」


そう言いつつ見覚えが少しある。
と、思ってた矢先にあちこちからクラクション。

いつの間にか周り一帯が車と人でうまっていて、とても喧しい。
なので、すぐさまその場から退く。


「どうしよう…」


女の子に捉えられて、お恥ずかしながら気を失ってしまって…


「あれ？」


見慣れたロリィタ。
それが建物と建物の間に消えてゆく。


「エリス！」


スグに分かりそこまで走るが…
段々きつくなる鉄分の臭いがツライ。


「…あ」


奥に跪くマフィアの人達と鴎外さんエリスちゃんetc…
そして足元の、屍。

見るだけで何かが込み上げる。
しかし、必死に鴎外さん達を見て気をそらす。

待っていると一段落ついた様なので駆け寄る。


「鴎外さーん！」
「A君！？無事だったのかい！？」


何で驚くの、と思ったら皆も目を見開いてる。


「えっと、さっき玩具箱みたいなとこにいて…」
「やはりあの子が…あ、そうだ。私もさっき居てね。まぁ脱出したよ」
「流石です。私は人形に捉えられて…」
「そのことだが、皆探してくれていたよ」


皆、という言葉を聞いて振り返る。
その瞬間、皆が尚深く跪いた様に見えた。


「でも真逆A君まで扉の奥に居るとはね…」
「こっちもです。まさか鴎外さんまで来てたとは」
「お母さん！大丈夫だった！？」


突然の声に吃驚する。


「組合の人が来て、要件を呑まなきゃ命はないって！」


成程、あの子の言ってた材料とは
“交換条件”の材料のことだったのか。


「ま、その時はお引取りしてもらったよ」


と、得意げに言う鴎外さん。


「何はともあれ帰りましょう。
　ずっと跪いているのは大変だと思いますよ」
「それぐらい耐えられない奴は切り捨てる」


やっぱマフィアだ。
そして絶対『切り捨てる(物理)』。

さぁさ、と鴎外さんを見ながら歩いたのがいけなかった。
何かを踏んでしまった。“何か”は直感的に分かった。


「…助けて下さい。振り返れません」
「なら…」
「チューヤ！」
「御意」


ブワッと体が浮く。


「何これ！？」
「少々我慢し」
「楽しい！ジェットコースターみたい！」
「…」


中也さんの顔がすごい。


「お母さん好きなの？なら行こ！」
「遊園地！？行く！」


　


(遊園地は子供になれる)

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