第十話 金髪のアノ子 ページ12
ご自由に…って言われた。
なら芥川君でいいよね!
「…あの」
「はい、何でしょう」
「首領は何処に居ますか?」
「んー、何時ものとこで紅葉姐…紅葉さんと話してる」
「有難う御座います」
と言ってスタスタ歩いて行ってしまった。
否、それよりも…
「樋口さん」
「うわぁ!Aさん!」
「んふふ、何してるの?」
「いや、特には…」
「“特には”だったら壁に隠れないよね?」
嗚呼、きっと意地悪な顔してる。
「ねぇ何してるの」
「……先輩の、護衛です」
「先輩?」
「芥川、先輩」
「おおー」
何故かあの人が先輩に見えず、称賛の声をあげてしまった。
そして“芥川”と口に出して顔を赤らめる。
可愛い。恋する乙女だ。応援する。
「もしかして芥川君をずっと見守ってた?」
「は、はい。何かあっては困るので…」
ごめん樋口さん。
それを俗にストーカーって言うんだよ。
「あ!」
するといきなり壁から顔を出し、声を上げた。
一寸吃驚したのは秘密。
「先輩がいない!」
なるほど、それが気がかりか。
「芥川君なら鴎外さんの部屋に行ったよ」
「え、本当ですか!有難う御座います!」
そして樋口さんは鴎外さんの部屋により近い物陰に行き、
また潜伏した。
何ともシュールな光景だった。
さて、どうしよう。
ぶーらぶーらと、その辺を歩いてみると
「エリス?」
「お、母さん」
恐らく目が覚めたのだろう。
そのせいでまだ眠いのか、反応が少し遅い。
エリスちゃんが抱き着いてくる。
「お母さん…」
「どうしたの?目が覚めちゃったの?」
あやす様にそっと、そっと話しかける。
「…一緒に寝よ?」
「じゃあ、ちょっとだけ待ってね」
「んんぅ」
顔を横振ってにスリスリしてくる。かわいい。
「よし、じゃあおぶってあげる。おいで」
と、背を向けて言えば若干もたれかかる感じで乗る。
その後の身支度はエリスちゃんを背に乗せながらやった。
(ある作戦を思いつきながら)
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臣民(プロフ) - ハニーさん» まだエリスちゃんの正体が明かされていない時でしたからね……。その設定で大丈夫だと思います! (2019年2月3日 10時) (レス) id: d39d595e1e (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 此処でのエリスちゃんッて普通の子供設定なンですか? (2019年2月2日 16時) (レス) id: ec7085eabe (このIDを非表示/違反報告)
エリザベート(プロフ) - 4番希望で!! (2016年9月1日 12時) (レス) id: 4126f800ee (このIDを非表示/違反報告)
みるの - 4を希望します! (2016年8月31日 1時) (レス) id: ae8c0f0041 (このIDを非表示/違反報告)
夜月☆彩(プロフ) - 1が読みたいです! (2016年8月30日 22時) (レス) id: 89f03b0b28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:臣民 | 作成日時:2016年7月28日 22時