プロローグ ページ2
「はぁ…」
ため息が漏れる。
別に疲れたわけではない。いや疲れてはいるが。
ただ、とても生活が苦しい。
やりくりが難しい、そんなとこまで来ている。
宝くじ等に夢を抱くことは無い。
地道に働くのが性に合っているだけ。
美味しい話は無いのか…。
まぁ、そうありふれてても、それはそれで困る。
「よぉ〜し!頑張るぞ!」
仕事を探すために町を走り回る。
…やっぱり歩き回る。
それが、日常崩壊の合図だった。
―――――――――――――――――――――――――…
「リンタロウ、遅い」
「待ってよエリスちゃん!」
買い物に町へ出る。
荷物係と一緒に。
キョロキョロ辺りを見回して目当てのものを探す。
お菓子、洋服、玩具…買いたい物が多すぎる…
ショーウィンドウの中の服を眺めてる
そ の 時 だ っ た。
綺麗な髪、整った顔立ち。
そして、面影。
「Mutti!」
気づけば走り出していた。
エリスちゃん、なんて声も無視して。
「…え?あの、人間違い、じゃないかな…?」
「違う、Mutti!」
「ふ、フロイライン?あの、本当に」
「エリスちゃ〜ん!勝手に走り出さないでよお〜」
困るリンタロウ。その表情もイイ。
じゃない、それより大事なこと。
「ねぇリンタロウ」
「なぁにエリスちゃん?」
「この人と暮らす」
「「えぇっ!?」」
―――――――――――――――――――――――――…
な、何言ってるんだろうこの子。
しかもニコニコして…
「ごめんね。本当に私、ムッティじゃな」
「やだ!一緒に暮らす!」
…だめだこりゃ。
付添いの大人の方も呆れ顔だし…
「あの〜」
「へ!?あ、はい。何でしょう」
「一緒に暮らしてあげれませんか?」
何か言い出したぞ付添いの人。
「ほら、リンタロウもいいって言ってるじゃない!
だから、ね?」
「いや、お仕事探さなきゃいけな」
「無職なのかい?なら暮らしてくれたら月30万でどうかn」
「暮らします。お願いします」
美味しい話がありました。
(だが台詞が遮られる)
―――――――――――――――――――――――――…
Mutti(ムッティ)…独逸語でお母さん
フロイライン…独逸語でお嬢さん
Q,エリスがスペルなのは?
A,独逸圏の人だから(だといいな)。それに対しAさんは違うのでカタカナ。
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臣民(プロフ) - ハニーさん» まだエリスちゃんの正体が明かされていない時でしたからね……。その設定で大丈夫だと思います! (2019年2月3日 10時) (レス) id: d39d595e1e (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 此処でのエリスちゃんッて普通の子供設定なンですか? (2019年2月2日 16時) (レス) id: ec7085eabe (このIDを非表示/違反報告)
エリザベート(プロフ) - 4番希望で!! (2016年9月1日 12時) (レス) id: 4126f800ee (このIDを非表示/違反報告)
みるの - 4を希望します! (2016年8月31日 1時) (レス) id: ae8c0f0041 (このIDを非表示/違反報告)
夜月☆彩(プロフ) - 1が読みたいです! (2016年8月30日 22時) (レス) id: 89f03b0b28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:臣民 | 作成日時:2016年7月28日 22時