難攻不落のシンデレラ

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こんな事、優希さんと友理さんにしか言わないつもりだったのに、まさかこの2人にも明かすとは思わなかった。何だそんな昔の事、と思われるかもしれないけど、私にはとても辛い過去だった。

『ぁ、あの！皆が、違うっていうのは、分かります。でも…ストッパーがかかる、っていうか…』

バレーでは挑戦出来るのに、人間関係では挑戦出来ない…ただの意気地無しなんだ。

柳田「…俺が言うのもだけど、木田さんのペースでいいんじゃないかな」

『…！』

柳田「俺だって人と話すの苦手だし。ちょっとずつ、前に進めばいいと思う」

石川「うん。残り2日と、あとは8月だっけ。俺らは誰一人、木田さんを悪い奴だなんて思ってないから。慣れていこう」

『っ！』

思わず涙が出そうになったけど我慢。この2人の言葉が心にグッと刺さった。私がバレーに出会えてよかったと思えた、二度目の瞬間だった。

石川「で？何でいじめてたの？」

柳田「だからいじめてねえ！」

石川「本当？木田さん、何もされなかった？」

『う、うん！』

それにしても、石川くんとは本当によく話すようになった。皆の前ではまだ難しいところもあるけど、初日と比べると目まぐるしい成長。我ながら天晴。

石川「昨日の居酒屋みたいにフランクに喋ってくれていいんだよ？」

『あぁああれは！！』

突然距離を詰めましたね！？

『絶対やだ！無理！』

昨日のあの事を全く覚えてないけど、どうなるか聞いてるから想像がつく(想像したくないけど)。恥ずかしくて赤面しながら否定した。


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