難攻不落のシンデレラ

35 ページ36

何て答えよう…！！

安易に同年代の男性と喋れないなんて言ってみろ。
何かがっかりされると嫌じゃん！そこであなたが憧れです、と弁解出来る程強心臓でもないからもう八方塞がり。いや多分、憧れなのはバレてる。でも私の口から本人に直接言える訳が無い。

『ぇ…と……慣れて、なくて』

柳田「…男と話すのが？」

苦し紛れの言い訳はこうなりました。

無言のまま頷き、また初日のような物凄い緊張が押し寄せてきた。あぁ、来るんじゃなかった。

柳田「でも、コーチ達とは普通に話してるよね？」

『！』

終わった。何か終わった。

石川「あ、マサさんが木田さんいじめてる」

『！』

救世主！(？)
絶望的だったこの状況に石川くんが来てくれた。

柳田「いじめてないから」

石川「じゃあ何で木田さんは顔面蒼白になってんの？」

『ち、違うの…！』

あぁもう…本当、ここまで来ると自分が情けなく思う。いつまで過去に囚われているんだろう。皆はあの人達とは違うのに…

『私が、ちゃんと、はっきりしないから…』

石川「誰も木田さんを責めてないよ」

…ごめんね、石川くん。気を遣わせちゃった。
…ちゃんと、言わなきゃ。

『…ぁの……中学まで、いじめられてました。それで…同年代の男性と、その…話せなく、なりました』

ちゃんと…言えた。


.

36→←34

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す