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次の大会はオーストラリアで世界選手権アジア最終予選、調整期間は約一週間。若手の選手が多い中での連携は難しいらしく、コートの内外関わらず皆はよくコミュニケーションを取っていた。

「(名字)さんはどう思った?」

練習後には何故か私にも意見を求められる事がある。常日頃から練習を見ているから?専門のスタッフがいるにも関わらず何故私に聞くんだ山内さん。

『えっと…攻撃枚数を増やせばいい、かな?皆がやってるシンクロにミドルが、参加出来るところは参加した方が、選択肢が広がると思う』

私の方が一つ下だけどマサさん現象があるのでタメ口でいいと言われた山内さんは、チームの中で一番背が高い204cm。一体、どうしたらそんなに大きくなるのと聞きたいところだけど、世界にはもっと大きい選手が沢山居る。だから204cmは世界基準だと普通になってしまい、マサさんの186cmでさえ低いと言われてしまうのが男子バレーの世界なのだ。

「確かに。このプレーでも行けそうだね」

「だったらパイプもやれるね」

「(名字)さん、ありがとう」

『お役に立てて何よりです』

セッターの藤井さんとコーチも私の意見に同調してくれたのはいいが、私からすればとても烏滸がましい事をしたという罪悪感に駆られる。それでも、皆が求めているなら私は正直に言わなきゃいけないから、皆の為ならやる。私の烏滸がましいと思う気持ちは、皆には要らない気持ち。
ストレスフリーの状態で試合が出来るように、最高のプレーに繋がるように、私は皆の為になる事をする。

「今日は取材が入る日だよね?」

マサさんの言う通り、今日の午後はその日です。私はマネージャーという立場だけど、色々知られると面倒な過去があるので表には出ないように注意を払っている。試合も日の丸を付けたシャツやジャージを着て応援したい。でもそれは叶わないから、私服でこっそり応援席か裏の控え室で応援する。

『うっ、うん…!』

あれからというものマサさんと距離を取っていた私は、急な問い掛けにビクッと少し肩が上がった。
マサさんの方から「今じゃなくていいから、考えて」と言われて答えは保留中だけど、やっぱりあれから変にマサさんを意識している気がする。決して軽々しく答えていい問いではなく、お人好しの私でもイエスと簡単に口にする事は出来なかった。

「どうするの?」

『あ…天気も良いし、外に出てみようかなって』

「そっか、楽しんで来てね」

控えめに笑って体育館を後にした。

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作者名:しおん | 作成日時:2019年10月26日 6時

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