検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:75,005 hit

25 ページ27

「はあ、あいつマジで勘良すぎ」

大学の課題を思い出した石川くんは急いで部屋に戻っていった。私達はゆっくり部屋に戻る。

『…まあ、初日にいつもの感じで喋ったからね。仕方ないよ』

「付き合ってたの、知ってるのって俺だけ?」

『んー、多分。昴くん、そういうところはしっかりしてたから』

「…本当、Aちゃん思いだね」

…マサさん?

『…ドイツの準備はどう?』

少しだけ残念そうな、少し落ち込んだ声になっていた。だから話題を変えようと試みた。

「まあ、これからかな」

私が心配しているのは気持ちの方と生活の方。バレーは明日からも合宿が始まるし、怪我さえ注意してくれればというだけなのでそこまで心配はしていない。
単身でドイツ…知らない所に行くなんて、ただでさえ日本国内だけでも心細い私には到底考えられない事だ。でもマサさんや石川くんは、大好きなバレーの為だから出来る。

『…私の心配する事じゃないか』

「いや、嬉しいよ。ありがとう」

『どういたしまして。じゃあ、私上だから』

エレベーターの上ボタンを押して来るのを待つ。ちゃんと来るまで待ってくれるあたり、マサさんはやっぱり優しいお兄ちゃんだ。

『ドイツってどんな食材があるのかな…ねえ、帰ってきたら…』

「あのさ!」

『?』

「俺と、ドイツに来て」

26→←24



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (28 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
103人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:しおん | 作成日時:2019年10月26日 6時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。