Love T-Rain【Kaz・N 0617BD/2014】 (ページ1)

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1両目ページ1

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・・・ここダメかな

この場所ダメな気がする

案の定身動きが取れなくて

頑張ってカバンをお尻の方へ持ってきたいけど傘が邪魔で腕が動かせない。

どうしよ………

朝の通勤ラッシュの電車の中、女子高生が一人で乗って居れば度々遭遇してしまう事。

出会いたくなんか全く無い

この世から消えちゃえばいいのにと思う事

プレイヤーから流れる音楽で気を紛らわせようとするけど

やっぱりその感触は心を凍らせて

でもそれが痴漢だとは確信が持てなくって

何もできずに下唇を噛んだ

自分の爪が自分の掌に痕を付ける

目の前の人のグレーのスーツがゆらっとボヤけて見える。

あと何駅だっけ

あとどんだけ我慢しなきゃいけないっけ

今の駅を確認しようと顔を上げた

その時目の前にいたオトコの人

その人がつり革を持つ手を変えて体重を移動させたので少し空間ができた

急いでカバンを後ろ手に持つ

そんなにわざとらしくないようにぎゅうぎゅう詰の車内で自分の体を守る

はーっと大きく息ができた。

次は乗り換えのある駅で

いつものように人が沢山乗り降りして

その後はもう嫌な思いをすることは無かった

その次の、自分の高校近くの駅で降りる

ほっとした思いでホームに立った。

ふと窓ガラス越しにさっきまで自分が居たあたりを振り返った

どの人が痴漢だろ

まだ乗ってるのかな

少し怖くて

でも悔しくて

そんな思いで見た窓ガラス越しの車内

そんな私と一瞬だけ目が合ったオトコの人

車内灯の加減なのかな？茶色く見える瞳

キレイな顔だな

オトコのくせに

まさかこの人？

ほんの一瞬だけ目が合ったオトコの人を乗せた電車は次の駅に向かってまた走り出していった。

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