ほんとうに。1 ページ6
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you side
「じゃあ、改めて乾杯」
『お疲れ様です』
モトキくんがよく行くお店、とは、会員制のBARだった。有名人だとカエデが言っていたしそこらへんのお店には行けない…のかな?
店内を見渡すと黒が貴重で、雰囲気抜群のBARだ。金曜なのにあまり人もいなくて、静かに流れている音楽が心地よい。
「あ、これ。忘れないうちに」
『!あ、ありがとうございます』
モトキくんが渡してくれたのは私のキーケース。それを受け取り、自分の鞄へとしまう。よかった、けどこれがモトキくんじゃなくて、悪い人だったらとゾッとする。
「リンちゃんは、あぁいう風に酔っ払ったこと、ほんとに無いの?」
『ない…ですね、平日に一人で飲むこともほとんどないですし』
「じゃ、すごい偶然だったんだね。俺達が出会ったのって」
カクテルを片手に、モトキくんはそう笑って、こう続けた。
「運命じゃない?」
『運命、で、すか?』
「…ほんとに、付き合わない?俺たち」
『いやいや…そんな、』
「本気だよ、俺」
さっきまでふにゃりとした笑顔をしていたモトキくんだったが、一転して、真剣な眼差しで私を見つめている。そんなモトキくんに心臓がどくんと大きく跳ねた。
『っ、で、でも…まだなんにも知らない…ですし』
「これから知っていけばいいじゃん」
『モトキくん、すごい人らしいし』
「そんなの関係ないよ」
『な、なんで私…なの?』
「一目惚れって、やつ…かな?…リンちゃんのこと、もっと知りたいって思ったんだ」
『ーっ』
モトキくんは、ねっ、と私の顔を覗き込む。お酒も入っているからか、モトキくんの言葉に、頭の中がくらくらする。
「だめ、かな?」
『だめ…じゃ、ない…』
「じゃあ、いい?」
『その聞き方はずるいです、ほんとに』
「あはは、リンちゃん顔真っ赤」
悪戯な笑みのモトキくん、そんなモトキくんを可愛いな、なんて思ってしまった私は。
もう既に、モトキくんのこと気になって…るんだろうな。
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レモン - とても面白いです!私、モトキ君推しなので楽しめています。これからも体調に気をつけて頑張ってください! (2020年4月5日 16時) (レス) id: bbd6f120f3 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - 善処さん» 更新遅くなってしまって申し訳ないです……!そう言っていただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます、更新がんばります! (2020年2月18日 12時) (レス) id: 828ff03d5d (このIDを非表示/違反報告)
善処(プロフ) - 何度もスミマセン。kikiさんの書かれるモトキさんの雰囲気が柔らかくて凄くときめきました…kikiさんのペースで大丈夫ですので、続き楽しみにしてます。 (2019年12月20日 17時) (レス) id: 977f9d8c0c (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - 善処さん» 善処様。嬉しいコメントありがとうございます…!嬉しいです、更新頑張れます。 (2019年12月12日 21時) (レス) id: 63f36c01d5 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - ゆりりんさん» ゆりりん様。ありがとうございます…!のろのろ更新ですが、これからも更新頑張ります! (2019年12月12日 21時) (レス) id: 63f36c01d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kiki | 作成日時:2019年9月19日 23時