ほんとうに。2 ページ7
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you side
『…でも、あの、…私が言うのもなんですけど、やっぱり不安かなって』
「よく知らないから?」
酔っ払っていたとはいえ、自分から付き合いたいと言ってしまったことがきっかけだが、昨日あったばかりの人とすぐに付き合うって…ちょっとだけ、こわい。
悪い人には、…思えない、けど。
「じゃあ、一週間お試しで付き合ってみない?」
『お試し…?』
「またこうやって飲みに行ったり、普通にデートしたりして、俺がどれだけ真剣か、見定めてよ。リンちゃんが嫌がることは絶対にしないって約束するから」
『なんでそこまでして…』
「リンちゃんに信じてもらいたいなぁって」
こんだけ真剣なんだよってこと。モトキくんは真っ直ぐそういった。そんな真っ直ぐな彼に、わかった、と答えると。
モトキくんは、すごく嬉しそうに笑ってくれた。
「明日は、休み?」
『土日なんで、お休みです』
「今日この後お泊まりしに来なよ、俺がどんなことしてるか知ってもらいたい」
『えっ』
「あー今警戒したでしょ?」
『ソンナコトナイデスヨ』
「リンちゃんの嫌だってことは絶対にしない、それは絶対に約束する」
『っ、約束…ですからね』
「やったー!」
それから、モトキくんは彼の携帯でフィッシャーズの動画を見せてくれた。動画の中にいる彼が隣にいる、という違和感が凄かった。楽しそうにメンバーの話や、その時の話をしてくれるモトキくん。
キラキラしていてすごく、YouTuberをやっていて本当に楽しいんだろうなって、そう思った。
お酒もすすんで、2軒目という事もあっていい感じに酔いが回っている。
「そろそろ帰ろっか、俺も帰って編集しないと」
『ん、…わかりました…お金、払う』
「いい顔させてよ」
そう言いながら私が財布を取り出そうとした手を抑えて、そのまま手を引いて立ち上がった。私の鞄まで持ってくれて。
またもや、いつの間に呼んでくれていたタクシーに乗り込む。
「リンちゃん住所は?」
「ん、と……×××町…です」
私の家に寄ってもらって、必要なお泊まりセットをさっくり用意して、家の前で待ってくれているタクシーに戻る。
モトキくんが住所を伝えると、またタクシーは動き出す。外の風景をぼんやりと眺める。
ちょっとだけ、眠いや。
ちょっとだけ、と私は重たいまぶたを閉じた。
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レモン - とても面白いです!私、モトキ君推しなので楽しめています。これからも体調に気をつけて頑張ってください! (2020年4月5日 16時) (レス) id: bbd6f120f3 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - 善処さん» 更新遅くなってしまって申し訳ないです……!そう言っていただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます、更新がんばります! (2020年2月18日 12時) (レス) id: 828ff03d5d (このIDを非表示/違反報告)
善処(プロフ) - 何度もスミマセン。kikiさんの書かれるモトキさんの雰囲気が柔らかくて凄くときめきました…kikiさんのペースで大丈夫ですので、続き楽しみにしてます。 (2019年12月20日 17時) (レス) id: 977f9d8c0c (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - 善処さん» 善処様。嬉しいコメントありがとうございます…!嬉しいです、更新頑張れます。 (2019年12月12日 21時) (レス) id: 63f36c01d5 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - ゆりりんさん» ゆりりん様。ありがとうございます…!のろのろ更新ですが、これからも更新頑張ります! (2019年12月12日 21時) (レス) id: 63f36c01d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kiki | 作成日時:2019年9月19日 23時