おそ松さん 恋された十四松

【番外編 15】バレンタイン ページ40

あれからトド松くんはちゃんと仕事に戻ったようですが、ちょくちょく視線を送ってきます。
とても気になります。
そして、なにより気になる(むしろうざいのほうが近い)のは、

「付き合えよー！」

「うんうん！ あのむつごだったらトド松くんが1番マシだって！」

そう、雨宮と郁子。

いやいや、マシとかで決めないでしょ、フツー

「いらっしゃいま……」

トド松くんの元気な声が途中で途切れた。
不審に思ったあたしは入り口を見ると、

「え？」

「どした」

「むつごがおる」

「え、嘘……またあいつはに会うの？ やだよ？ やだやだ」

や、本当は悪い奴らじゃないんだよ？
って、お嬢の雨宮に通じるわけないよなあ……

「よお！ トド松！」

「お客様様ァァァ！ ご注文はー？？？？」

「え、なに6人仲悪いの!?」

「や、そんな事はないと思うけど……」

「でも、すげぇー険悪そーだよ？」

入り口から見えないように小さくなって声もひそめて話してます。

「だよねぇ……」

「スタバァで喧嘩はまずいよ」

「だよねえ……」

「って事で！ お前行ってこい！」

「え？」

その間にもむつご達はなにやら言い合いを……
まずい、まずい、さっきの店員でてくる！

「ほら、さっさと言って止めてこーい！ あンたが1番仲いいし、好意もたれてんだから！」

と、強引に雨宮に席から押し出され、
むつごの前に、

盛大にこけました。転がりました。
痛いです、恥ずかしいです、

「え、ちょっと大丈夫？ 君」

顔が見えてないので気付かれてません。

「あれ？ この服……」

「トド松の知り合いか？」

「うん、てかみんなも知ってる」

「いっつー！」

「あ、」

「あー！」

「ああー！！！」

「あ……」

「あぁぁぁぁぁあああ！」

「「「「「Aちゃんだ！」」」」」

大声で叫ばないで下さい、
恥ずかしいです、

こけてただでさえ恥ずかしいのに

ほら、クスクスって笑い声が、

「大丈夫ー？」

その声は、十四松くんですね、

手を差し出してくれました。
あぁ、やっぱ好き。

「あ、ありがと、」

「よかったー！ 顔は怪我してないね！」

「うん、足は擦りむいちゃった！」

「でも、どうして名前ちゃんここに？ 1人で？」

「や、この前の子達と一緒だったんだけど」

と、さっきまでいたテーブルを見やると、

え、誰もいない!?

でも、置き手紙がある。

『彼らのお守りは任せた！ あたし達は帰る！
by 郁子
つーことだから！ 明日はよろしくねん！
by 雨宮』

え、えええ

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