オーエル3 (ページ30)

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雅「あ、A」

「....?」

にのの元へ行こうと足を進めるとまーくんが私を呼んだ

雅「がんばれ!」

向こうでやってる花火の灯りがまーくんの顔をチラチラと照らす

その明かりに灯されながら笑うまーくんの顔はすごく優しくて、なんだか胸がほっこりして、軽くなったような気がした

きっと私の恋はハッピーエンドにはならないけれど、そんな恋だって間違いじゃなかったって思える

だってこんなにまーくんが優しく笑ってくれるから....

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土から砂利に変わった道をザクザクと進むみながらにのを探す

喫煙所って言ってたけど..いないや

みんなのところにもいなかったし....

辺りを見ながら周辺を探していると、駐車場から続く細い道の前を通った時、

和「今のどういう事」

「....?」

にのの姿を見つけ思わず、反射的に一歩下がってその場の壁に身を隠す

恐る恐る顔を出してそこを覗くとそこには

栞さんもいた

栞さんの顔はよく見えないけど..あのベージュのロングカーディガン、あれは栞さんがさっき羽織っていたものだ

栞さんの手にはまだ画面が光ったスマートフォン、

分からないけどあまりいい雰囲気ではなさそうな...

思わず手の中にあった緑色のライターをキュッと握った

和「ねぇ、どういうこと」

栞「....そのまんまの意味だよ」

和「じゃあ何、本当に再婚すんの？」

え、

...栞さんが？

再婚？

和「なんで」

栞「..今すぐにって話じゃないよ?..でもほら、駿もまだ小さいし..父親が必要だと思うの」

和「..それが理由?」

どうしよう

足が石みたいに重くなって、動けない

逃げるな、聞け、って言われてるみたいに

足がその場から動かせなくなってしまった

和「それ本気で言ってんの?」

栞「親にもずっと言われててね、いつかは考えなきゃいけないことなのかなって思ってたの」

和「......」

栞「駿にはほとんど父親の記憶はないし..」

びっくりした

栞さんがそんなこと考えていたなんて..

栞さんは1人でも大丈夫な強い人、って勝手に思ってた

そんなわけ、あるはずないのに.....