オーエル3 (ページ31)

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和「だからって親に勧められたやつと結婚すんの？そんな奴駿の父親にすんの？」

栞「......」

.

こんな状況になってんのは、今から30分前くらい

みんなで花火をやってる最中に彼女の電話が鳴ったのが始まりだった

ちょっとごめん、と言ってその場から消えた彼女を特に俺は気にすることもなくみんなと、特に駿と花火を続けた

.

駿「ママまだかなぁ」

.

それから10分以上経っても戻って来ることがなく、女子同士の会話で花でも咲いてんじゃね？とは思いつつ駿のために代わりに様子を見に行った

そこで俺は昔みたいにまたタイミング悪く耳を疑うような内容の電話を聞いてしまったというわけだ

和「やめろよ....頼むからそんなこと言うなよ」

何でかねぇ、こんなタイミングがわるいのは

そろそろ笑えてくるわ

栞「...駿のためだよ」

あぁ、もう

頼むから、そんなこと言わないでくれよ..

そんなの聞いたら、そんなこと知ったら

俺でいいじゃん、って

その白くて細い腕を引き寄せてしまいそうになる

あんたの悲しみも痛みも悩みも、

全部俺がもらってやるから、って

誰でもいいなら俺にした方がよっぽどマシじゃんって、

俺でもいけんじゃねぇか、って勘違いしそうになるから

頼むからそんな痛々しい笑顔向けんなよ

和「俺の気持ちはどうなんだよ」

栞「.....?」

和「あんた知ってんだろ俺の気持ち」

栞「...にのっ、」

和「知っててそれ言ってんの?」

.

もうだめだ

はやく、はやくここから逃げてって

ばくばくとうるさい心臓が私に言っているみたいだ

だってこの先を聞いたらきっと私は.....

和「好きだよ」

栞「.....っ、」

ガンっ、って

ハンマーで胸を叩かれたみたいな痛み

黒い布で視界を覆われたみたいに先が真っ暗だ

呼吸ってどうやってするんだっけ

息が...苦しい.....

助けて、、、

.

和「ずっと言わないでおこうと思ってた」

栞「....」

和「困らせるくらいなら黙ってようって」

そんな私に御構い無しににのは続ける

これ以上はまずい、って危険信号が出るのに

鉛のような足はいまだに言うことを聞いてくれない