【SLAM DUNK】カフネ前編 (ページ18)

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16.約束の海ページ18

Aは海を眺めるのが好きだ

Aが好きなこと

好きなところ

いっぱいにしてやりたいと思った

実際は俺がしたいことを

ずっと傍で支えてくれた

ありがとな

「よ。待たせたな。」

待ち合わせ時間より少し前に着いたのにAは着いてた。

白い七分袖のトップスにショーパンにスニーカー。

正直、可愛い…。

「誰かに声かけられなかったか？」

心配になるじゃんか。

『おはようございます。』
『そんなもの好きな人いないですよ。』

今日もクスクス笑う。
音を鳴らすみたいに。

「告白とかされねーの？」

『…稀に？』
『でも、一緒に出かけたこともない人に、付き合ってとか、好きって言われても…。なんだか…。』

なんか顔を青くしながら言うA。

百面相ってやつか？ころころ表情が変わる。

おもしろいやつ。

「ふーん。彼氏は？」

さっきからすれ違う男どもがAを見てきてイライラする。

『いたら、三井さんと約束しないですよ。』
『三井さんは、彼女さんは？いたら、私、すぐ帰ります。』
『私、万が一、彼氏ができて、万が一、彼氏が他の女の子と2人で出かけたら、寝込みますもん。』

立ち止まって言うA。

なんか想像して

複雑そうな顔してやがる。

おもしれーやつ。

「いねえよ。いたら誘わねーよ。」

『なら、よかったです。』
『どこ行きますか？』

「昔、退院祝いに海行きたい、って言ってたじゃんか。」
「行かね？近いし。」

覚えててくれたんだ。

『ありがとうございます。』
『覚えててくだって、ありがとうございます。』

Aが嬉しそうに笑うから、その頭に手を置いてワシャワシャする。
クスクスAが笑う。

いいな、これ。
　

海についてから、砂を蹴り上げながら歩いてみたり、呆けて海を眺めてみたり、Aは本当に楽しそうだった。

『三井さん。』
『お願いがありまして…。』

「なんだよ。畏まって。」

『棒倒し、経験してみたくて…。』

「したことねえの？」

『はい。なくて…。』

　

顔、真っ赤にして、何を頼むのか思えばこれ。

可愛いやつ。

一緒にいて飽きないな。

結局、俺のが上手くてAの連敗だった。

『お願いです。負けてください。』

結局負けてやらなかった。

負けるのは嫌いだ。