今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:51,358 hit
小｜中｜大
3.若干の後悔 ページ5
.
私と風斗くんは社長室を終えると
さっそく現場に向かうことになった。
今日はダブル主演でのドラマの制作発表と
取材が予定されている。
もう一人はハリウッド進出も決めている
演技派の人気俳優だった。
同じ事務所だからとはいえ
こんな人とダブル主演なんて思い切ったな。
そんなことを考えながら駐車場へと進む。
車は新入社員の方が出してくださるらしい。
その方にマネージャーも任せればいいのに
とも思ったがお母さんが怖いので
言葉を飲み込んでおいた。
無言でエレベーターに乗ると
重い沈黙を破ったのは
意外にも朝倉さんの方だった。
「 社長命令だから承諾したけど
マネージャーだからって必要以上に
僕に干渉しないでね。 」
………………は？
なに言ってるのこの人？
人気アイドルとはいえ
自意識過剰にも程がある。
しかもこいつ年下じゃなかったっけ…。
「 ご心配なく。
私はマネージャーの仕事をするだけで
朝倉さんになんら興味もありませんので。 」
私は少し嫌味っぽく彼に告げた。
少し驚いたのか目を見開いたかと思えば
その表情は消え口角を上げていた。
エレベーターが開き朝倉風斗は足を進める。
「 あっそ。それなら安心だけど。
あんたみたいな女なら退屈はしなさそうだね。 」
余裕そうに手をヒラヒラ振る
彼の後ろ姿を私は追いかけた。
こんな奴のマネージャーなんて
私にできるのだろうか。
今は自分のこの選択をただ後悔していた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 40人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：kiki | 作成日時：2015年11月11日 7時
