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88.偶然で終わらせない ページ12
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風斗side
『 もしもし、一ノ瀬です。』
気づけば電話をかけていたから
唐突に聞こえてきたマネージャーモードの
Aの声に動揺し、声が出なかった。
『 あれ?もしもし?風斗?』
僕を呼ぶAの声によって一瞬で引き戻される。
「 久しぶり、元気にしてるの? 」
我ながらなんて下手くそな切り出しだろう。
「 うん、元気だよ。
なんだか急だね。風斗らしいけど。 」
電話の奥の声は優しげで
なんなら笑っているようにも感じる。
「 さっき、映画の撮影が終わって。
そしたらなんか、Aの声が聞きたくなった。」
素直な思いがスッと言葉に現れた。
電話の向こうのAが驚いているのがわかる。
「 ごめん、変なこと言った。
今、修学旅行だっけ?
姉さん達はイギリスらしいけど
あんたはどこにいるの? 」
『 アメリカのマンハッタン… 』
場所は全然違うけれど
まさか同じ国にいるなんて。
なんだか偶然だとは思えない。
僕は勝負に出ることにした。
「 A、明日僕と会ってくれない? 」
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作者名:kiki | 作成日時:2017年6月11日 18時