終√:逃げてもよかった ページ16
ガーニック「......あのさ、母さん。」
「ああ。」
ガーニック「俺のために怒ってくれて、ありがとう。俺だけのために怒ってくれたことが、すごく嬉しかった。俺だけのためにすべてを投げ捨てようとしたのが、嬉しかった。貴女は俺にとって、ずっと自慢の母です。」
「......言うな、なにも。」
ガーニック「言うよ。俺はもう大丈夫、次は自分の幸せのために生きて。マフィアにいるのもよし、探偵社な来るのもよし、普通に生きるもよし......貴女の好きなように生きてほしい。」
記憶が戻ってからも、私はただ一つの道を選ぶだろう。重い足を外へ引きずり、こんな道だったかと思い出しながら、ある場所へ向かうことにした。
彼にああ言われては、記憶が戻るのを待つ前にやらなければ。
「ここ、だろうか。」
銀「櫻井さん。」
「......櫻井が私の名前か。上の名前は初めてだ。ここにとても強くて、小さい子と一緒にいる男はいるだろうか。たぶん、その人がリーダーなんだろう?彼に話したいことがある。」
銀「その口ぶりは......本当に、記憶がないんですね。分かりました。私が案内しますので、私から離れないでください。」
「ありがとう。君、可愛い子だな。名前は?」
銀「銀です。」
「銀か。」
ガーニックに何度も忠告された。いくら私とはいえ、あれだけの損害を出したからには死を覚悟した方がいいと。自分達が護りきれるとも思えないと言っていた。だから賭けてみようと思う。
ここに来て何をされるか。もし生還したら、しばらくはゆっくり眠ることにしよう。
銀「首領...」
森鴎外「A、今日はどんな用があってここに?」
「......記憶が戻ったら、もう一度裁定してほしい。今はただ私を見てくれないかと。そう言いたかった。」
森鴎外「?」
「記録上の私はまるで別人のようで......どうにも気に食わない。こんなものが私と同じだという扱いをされたら困る。もし貴方が私を殺すと言うのなら、今一度考え直してほしい。家族と名乗る彼らとの時間もほしい。」
森鴎外「別に殺す気はないよ。確かに此度の損害は大きいものだったけれど、君のこれまでの功績も大きい。それに記録を読んだのなら分かるだろう?あの損害はすべて、ある男の責としたことを。」
「その後、記録上の私は自ら親を殺した。自らが死ぬために。そんなものと同じにするなと、何度言ったらわかる?」
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作者名:琲世 | 作成日時:2022年11月25日 11時