【黒バス】貴方のタイプじゃないけれど。【高尾和成】 (ページ9)

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7話ページ9

貴「ヒッ…」

急に廊下側の窓から元気で陽気な声が聞こえ、単純にビビったのもあるが、割と初対面の人は苦手なのもあってか息を呑んだ。

そこには黒髪でセンターを軽く立ち上げているヘアスタイルのツリ目気味の男性がにこやかな表情で立っていた。

そして、きっと『真ちゃん』と呼ばれた人は私の隣にいる緑間くんのことだろう。

？「んあ？お話中だった～？ごめんごめん」

そう言ってその人は窓枠に片肘をついて軽くこちらに手を振った。

貴「えっ、アッ、はい！全然大丈夫です！緑間くんに用ですよね！」

？「ちょ、学年同じなんだし敬語とかいいし！しかもそんなに緊張しないで」

緑「…貴様、、、高尾と言ったな…昨日といいなんなのだよ！その呼び方は！馴れ馴れしいにも程があるのだよ！」

緑間くんに『高尾』と怒鳴られた人は、怒鳴られたのにもかかわらず何故か爆笑しているが、先程から話を聞く限り緑間くんと知り合ったのは昨日が初めてのようだ。

昨日が初対面で緑間くん相手に『真ちゃん』って呼んでこんなにフレンドリーに話しかけに行けるあたり中々の陽キャとみた。

そして何より…

貴「こ、コミュ力が高すぎる…」

あまりにも大きい自分との差に高尾と呼ばれる人が眩しく感じてしまい顔を顰める。

緑「ん？どうしたのだよ、佐野。不細工な顔になっているぞ。
ああ、それとさっきの話の続きだが、オレの今日のラッキーアイテムはセロハンテープなのだよ」

貴「あ、多分不細工な顔なのはいつもの事なので気にしないでもらえると嬉しい…
今日はセロハンなんだね～、なにかとあると便利だから良いかも」

「今日も人事尽くしてるね、いいと思う」と付け加えると、彼は「当然なのだよ」と眼鏡のブリッジを押し上げた。

そんな私達のやり取りを聞いていた高尾くんは「ブフォ！」と吹き出してヒィヒィ言っている。

高「し、真ちゃん…女の子に不細工って、、なーんでそんなに真顔で言えんの、、可愛い顔してんのに…ふ、はは…
てか君も真ちゃんと普通に会話してて…ツッコミいねーじゃん、、ふふ…」

緑「だからその呼び方はやめろと言っているのだよ！」

高「えー、いいじゃんいいじゃん！同じバスケ部としてこれから過ごすんだし仲良くしてこうぜ～？」

おちゃらけた様に言う高尾くんに緑間くんは「フン」とそっぽを向いてしまった。