【黒バス】貴方のタイプじゃないけれど。【高尾和成】 (ページ29)

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27話ページ29

過去編

これは、私がまだ明るく元気で最高に笑ってた時の話。

私は中学2年生でその先輩は中学3年生だった。

貴「___先輩！こんにちはー！」

？「ん、ああ。Aか。今日も相変わらず元気だね」

貴「へへ、よく言われます…！」

初めて話したきっかけは何だったかはもう覚えていない。

廊下ですれ違うたびに声をかけたりかけられたり。

時には世間話の延長で長々と話をするくらいの仲だった。

？「なんか犬みたい」

貴「犬って…どうせ大型犬でしょ…それかめっちゃ強そうな番犬…」

？「はは…違うって…だってオレのこと見つけたら尻尾振って嬉しそうに走ってくるから…」

貴「え、尻尾振ってます…？私が？」

？「可愛いってことだよ。
それにAは身長は高いけど、華奢だし指もスラっとしてて女の子らしいよ」

貴「ちょっと！？からかうのやめてくださいって！
先輩の貼り付けた様なその作り笑い私は見破ってるんですからね！」

初恋、だった。

先輩は私のことを妹の様に可愛いがってくれて、頭を撫でてくれて。

体型故にあまり言われない『可愛い』という言葉をたくさんくれた。

？「えー？誰が作り笑いしてるってー？」

貴「痛った！？笑いながら頬をつねらないでくださいよ！」

普段はお手本の様な、人形の様な顔で笑っているその人の、たまに見せるくしゃっとした笑顔が愛らしくて大好きだった。

大好きだった。

？「あ、実はオレさ、バスケ部なんだよね」

貴「へ、___先輩が？なんか意外です…スポーツなんてするんですね」

？「普通に失礼だな…んー、まぁちょっと気になるやつが男バスに入ってるからさ」

貴「？？気になってる人がいるからバスケ部に入るってなんか変じゃないですか？あ、お友だちか」

？「まぁそんな感じでいいや。
それでAにお願いがあるんだけど……マネージャーしてくれないかな？」

貴「私ですか…んー…まぁ__先輩の頼みですし考えておきますよ」

そんなことは言ったが勿論すぐマネージャーになるつもりだった。

大好きな彼から誘われた。

大好きな彼ともっと一緒に過ごせる。

そんなことで頭はいっぱいで、ワクワクして、書店にいって専門書なんか買って全く知識のないバスケについて勉強して。

付箋が貼られた分厚い専門書を握りしめて、数日後に放課後に先輩のいる教室に走った。