駄菓子が20と7つ ページ28
「あらすじと要所要所での自分の思ったこと…『〜がすごいと思った』『〜ところが面白かった』…っはは」
地味に僕の文の解説をしながら、お兄さんに笑われた。
解説しないでほしいし、笑わないでほしい。恥ずかしぬから。
「この本、本当に面白かったかい?」
お兄さんにじぃっと見つめられる。
人の目を長く直視できない僕はすぐに目をそらした。
「……まあ、正直、自分の好きなやつではなかった、です。一般的には面白いのかもしれないけど…」
「前訊いた時は、面白いって言ってた気がするけどねぇ…」
「あの場で正直に面白くないとか言えないでしょ。」
本を貸してくれたお兄さんに申し訳なくなって声が少し小さくなってしまった。
お兄さんは、ずっと笑っている。ケラケラ楽しそうに。
「まあ、私もこの本にはあまり面白いと言える自信がないのだけれどね。」
「え、おすすめの本なんじゃないの?」
「まあ、おすすめの本改め、Aくんに読んで感想をもらいたかった本、だね。」
なんだそれ。
お兄さんからよく分からないことを聞いて、頭がこんがらがる。
「Aくんありがとう。君の言葉を忘れずに次に精進するよ!」
僕何か言葉言ったっけ?
お兄さんはどこへ精進するつもりなんだ?
「今頃の子ってどんな本を読むんだろうね?」
「漫画」
「え、あ、うん。小説のジャンルのことだからね…?」
お兄さんが思い悩むように訊いてきたので、至って真面目に答えたら、戸惑われた。
仕方なく、学校とかでの思い出を蘇らせる。
…あ、今黒歴史が蘇った。
「…ラノベとか」
「 ら の べ 」
「ファンタジーものとか」
「 ふ ぁ ん た じ ー 」
あまり言わない言葉なのか、お兄さんは言いづらそうにオウム返ししてきた。
さすがにファンタジーは普通に言えるだろ。ふざけだしたな。
「学生は、恋愛ものとか青春ものとか好きそうだよねぇ…」
「僕は専門外ですね」
「…学校楽しいかい?」
お兄さんの考えは一般的なのだろう。僕もそうだろうとは思うけど。
僕が、恋愛・青春のジャンルを専門外だと言っただけで、哀れみの眼差しを向けられたのは解せない。
「アタリマエジャナイデスカ。」
お兄さんの方へ戻していた視線を、再び背けた。
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壱(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます(*^^*) (2019年11月2日 22時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 主人公の言葉に凄い笑いました笑笑 (2019年10月27日 8時) (レス) id: 92785b223f (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 壱さん» 一人でテンション上がりまくってました!あと15ってショタじゃない気してきました... (2019年7月29日 11時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
壱(プロフ) - アリアさん» 気づいてしまいましたか…!(嬉)主人公がひっそりいました。 (2019年7月28日 19時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 今気づいたけど設定2に[先輩を攻略するのは難しい]メンバーがいる!今ごろ気づいた! (2019年7月27日 10時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひぃ | 作成日時:2019年2月25日 21時