駄菓子が20と8つ ページ29
翌日の昼下がり、僕はいつも通り暑さに悶えながらごろごろと過ごしていた。
ときどき、部屋の床に汗でシミができないか心配になりながら。
「幸さん、こんにちは」
「あら一郎くん。こんにちは」
店の方で、お兄さんとばあちゃんが話しているのが聞こえた。
本当に、ほとんど毎日来てるなぁ…、と感心しながら、二人の会話に耳を傾けた。
「今日も来てくれたのね、うれしいわぁ」
「ははは。暇ができる生活をしているものですから。」
「アタシもねェ、Aが居てくれてる間は寂しくないけど、あんまりお店にお客さんが来てくれないから、暇なのよねェ」
「ははは。私、ほぼ毎日お店に来てますよ? それでも暇ですか?」
「んもう! 何言ってるの! 一郎くんのおかげで前より寂しくなくなったのよォ!」
楽しそうに、二人の間では会話が繰り広げられている。
ばあちゃんの声の高さが少し高い気がするし、お兄さんはニコニコ笑っているのが見えるかのような明るさだ。
……なんか、視点を変えたらお兄さんがばあちゃんを口説いてるみたいな会話だな。と思ってしまった。
お兄さんはそういう性癖持ちなのか…?
「ああ! そういえば、昨日は叱り過ぎちゃってごめんなさいね。Aったら、今まで以上に口数が減って…」
「そうなんですか? 反省しているからの行動だと思いますよ。それに、幸さんのお説教はやり過ぎてませんよ。私がしっかり観ていられなかったことが原因ですからね。」
本人が、ほぼ近くにいるのにその相談を果たしてするだろうか…?
とりあえず、昨日のことを掘り下げないでほしい。
「一郎くんは____」
「____ですからね。__と。」
「______ね。」
「___が__」
ばあちゃんとお兄さんは、小一時間ほどずっと世間話程度の会話をしていた。
二人は外に出ていってしまったのか、声が遠くなった。
僕が、島に来てからこんなに二人が話している様子を見聞きしたのは初めてだった。
……本当に仲良さげだな。
蝉のなく声が煩く聞こえだした。
………僕のところには今日は来てくれないのかな。
というか、なんで僕はお兄さんに相手してもらえないだけで、気持ちが沈んでるのだろうか。
別にお兄さんはばあちゃんに会いに来ているのであって、僕とはそうじゃない。
ばあちゃんの孫だから、優しくしてもらってるんだ。
______勘違いすんなよ____
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壱(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます(*^^*) (2019年11月2日 22時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 主人公の言葉に凄い笑いました笑笑 (2019年10月27日 8時) (レス) id: 92785b223f (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 壱さん» 一人でテンション上がりまくってました!あと15ってショタじゃない気してきました... (2019年7月29日 11時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
壱(プロフ) - アリアさん» 気づいてしまいましたか…!(嬉)主人公がひっそりいました。 (2019年7月28日 19時) (レス) id: 16a8646f1c (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 今気づいたけど設定2に[先輩を攻略するのは難しい]メンバーがいる!今ごろ気づいた! (2019年7月27日 10時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひぃ | 作成日時:2019年2月25日 21時