笑顔の仮面のその奥に 〜鏡の中の残響〜

夕焼け ページ15

学校に着いて、何事も無く授業を受けて、今日の夜ご飯について考えていると、

「鳩羽さん！！」

と先生の声がした。

慌てて返事をすると、

たくさんのプリントを持った先生が申し訳なさそうにこちらをむいて、言った。

「これ、職員室まで持っていってくれるかな？先生、会議があって...」

多っ！と思ったけど、私は一応学級委員だし、放課後、予定もなかったから、いいですよと言って先生から荷物を受け取った。

クラスの人数分のテキストはかなり重い。

でも、力には自信がある方だし、大丈夫だろう。

こけないように、慎重に歩いていると、どこからか声がした。

「お前、危なっかしい。」

えっ？と思って振り向くと、そこには片山君がいた。

「しょーがないな、持ってやる。」

と言って、半分以上も持ってくれる。

私はなんだか申し訳なくなって

「大丈夫だよ！力には自信がある方だし一人で持てるから！」

と言うと、片山くんは少し驚いたように目を見張った。

「意外、鳩羽ってそーゆーキャラだったんだ。」

ん？

「そーゆーキャラって、どうゆうキャラ？」

と聞くと、

「いっつも、女子と群れてて、キャーキャー言ってる感じだと思ってた。」

随分酷い言われようだ。

「人は見かけによらないからね」

片山君だって、私だって。


夕焼けの下、二つの影が出来た。

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