# 先輩の愛し方 . [inym]

# え、君らって？ . Rside ページ41

カランカラン…



「すいません、もう…おお、山田くんじゃん。」


「…こんにちは、有岡さん。」


「え、随分と暗いけど、なに？先輩と何かあった？」


「………はい。」


「おお、今日はかなり正直。」



どうぞ、と誰もいないカウンターのイスを手で誘われて、そこへ腰を掛ける。

本当は、ここへ来るか迷っていた。

だって実際もうここに来て相談に乗ってもらうことも、愚痴る必要もないから。



「先輩から、、解放されました。」


「え？あのストーカーの？」


「…はい。2日前に。」


「ええーっ、ちょ、何でもっと早く来ないんだよー。」


「そりゃあ……まぁ、あの…」



これだけ濁したら察しのいい有岡さんなら分かるだろう。
俺が先輩と離れて2日しか経っていないのにここまで落ち込んでいるのかという事くらい。



「あー…やっぱり、そうなっちゃったかぁ〜」


「え……、？」



後頭部を押さえてやってしまったと苦笑いする有岡さんにハテナマークが浮かぶ。

それを隠すことなく首を傾げると、有岡さんは言いにくそうに口を開いた。



「いやぁ、薄々、こうなるかもって、思っててさ。」


「え、何で？」


「あー…その、」


「ちょっと、濁さず言ってよ。」



今度は有岡さんがしどろもどろになっているのを見て、前かがみで続きを急かす。



「そのー、俺の予想で？
先輩くんは山田くんが、山田くんは先輩のこと、好きなんじゃないかなー？みたいな。」


「え……ちょっと待って…。
俺のどこを見てそう感じた？寧ろなんでそう感じた？！」


「そりゃあ色々な情報の元、的な？」


「情報？俺しか言ってないのに？」


「……実は、山田くん以外にも聞いてたんだよね。」


「は？誰。」


「…この子。」



突然、有岡さん側の足元辺りからガタンと音がする。

それから少しの時間が置いた後、その子が姿を現した。



「どーもー…」


「え？え、ええっ！？嘘、…明人？！」


「ごめん、ね。涼介…。」



現れたその子というのは俺の良く知っている友達の明人。
妙に気まずいのは先輩への想いを知られていたからか、はたまたこの店の雰囲気のせいか……。

少なくとも、今顔を合わせることにか抵抗感じていることに間違いはなかった。



「えー…っと……。2人は、どういう、関係で？」


「カウンセラーと、」


「依頼人、かな。」


「か、カウンセラーと依頼人？」



おーっと……。

またもや衝撃的な新事実に山田さん付いていけないゾー…。

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