【黒子のバスケ】愛しているから閉じ込める...2【赤司征十郎】

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[赤司side]


突然海の方からカモメの鳴く声が聞こえてビックリしてAと離れる。

それがなんだか可笑しくて二人で顔を見せあってクスクス笑う。


Aは突然の強風に煽られて転んだ。
俺もふらつくほどの強風だったから、Aが耐えられるはずがない。

俺はAの手を引き立ち上がらせる。

「大丈夫かい？怪我は？」


とAの顔を覗き込みながら言うとAは苦笑しながら「大丈夫です」と言った。

するとAの携帯が鳴り、Aは俺から離れる。


「え！？主演！？わかりました、翔君に伝えておきます。……はい、はい。最近波に乗れているので、彼の体調が崩れないか心配ですけど……。あ、聴きました。率直な意見としては」

とAは鞄の中から手帳を出し、メモを書きながら電話をしていた。

Aも期待されているからな。


「でも売れる素質ありますよ。まだ素人なのが難ですけれどね。曲調としては良いんです。ですが詩もメロディーも、そこがまだ幼い。これでは少し聴いて飽きてしまいます。必ず伸びる筈です」

と多分さっき聴いた歌手の話だろう。
俺はAを遠目に見た。


仕事をしている時のAは真剣そのもので、どこかカッコいい。
真剣じゃなければないで可笑しいのだけれど。

俺は車の鍵を開けてAに車に乗る事を促す。


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