小悪魔天使な彼に愛されたい！【天祥院英智】

えーちに看病される。 ページ5

「Aちゃんがまさか僕より先に逝くなんてね。
…あぁ、本当に悲劇だよ。悲し過ぎて涙も出ない。
大丈夫だよ。ちゃんと天祥院家のお墓に入れてあげるからね」
『頼むから縁起でも無い事言わないでくれる？』
「縁起は無いけど演技だよ」
『やかましいわ』

とても残念なお知らせがある。
私、Aは悲惨な事に風邪をひいてしまった上、こんな時に面倒くさい男が看病しに来たのだ。

この人に看病されるとは思わなかったよ。
逆に看病する側と思ってたのに。

「ほら、君の為に限定の月見〇ーガー買ってきてあげたよ。」
『病人にバーガー買ってくる奴初めてだよ』
「おや、僕がインフルエンザA型にかかった時は朔間君がビックマ〇クを買ってきてくれたんだよ」
『それはただの嫌がらせだわ』

まじでツッコミ役もう1人欲しい。
いや、ほっといたら良いんだろうけど突っ込まなかったら永遠にボケるからつい突っ込んでしまう。

『頼むからもう話し掛けないで…。怠くてしんどいの』
「君にも英智くんゲージならぬAちゃんゲージを付けさせようか。」
『要らねぇよ』

ただの風邪なのにここまで干渉して来る奴この人位だよ。
どうせなら伏見君とか蓮巳先輩に来て貰いたかった。

世間離れしてるから氷枕持ってきてと言えば枕を水に漬けて凍らすわ、濡れタオル頭に乗せてと言えば雑巾持ってくるわ…。
色々大変だったんだから。

まぁ彼なりにしてくれているんだろう。有難い話だけど…


「…死なないでね」
『風邪で死ぬ訳ないでしょ…』
「分かってるよ。でも心配なんだ。」
『…英智…。』

心配そうに頬を撫でる英智に心臓が締め付けられた。
…私、良い彼氏持ったな。世間離れしてるけど。

「君が居なくなったら僕はどうやって生きていけばいいんだい？」
『死なないよ』
「もし君が死んだら僕も後を追うよ。君が居ない世界なんて生ゴミ同然だ」
『重いよ、あと死なないから』
「あぁ、本当に可哀想だ。頼むから死なないでくれよ」
『だから死なねぇって言ってんだろ』

しっつけぇな。Go〇gleで「風邪 致死率」で調べてみろよ。
この若さで風邪ごときで死ぬ訳ねぇだろ。

「元気そうだね、なら月見〇ーガーを食べよう。」
『お前のツッコミしてるだけだよ。』
「ほら、口開けて。あーんしてあげよう♪」
『痛い痛い！！無理矢理突っ込んでくるなアホ！窒息死させるつもりか！！』


…訂正。私の彼氏はネジが10本程抜け落ちています。

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