【あんスタ】夢ノ咲アイドルの日常☆【短編集】 (ページ10)

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「凛月や、ここの問題はさっきの公式を使うんじゃよ」
「うるさい。指図しないでくれる？」
「これ、そんなに睨んだら目付きが悪くなるぞい。
吾輩みたいに。」
「もう良いから帰ってくれない…？」

結局セッちゃんはナッちゃんの所に行ってしまい兄者とマンツーマンで問題を解くことになってしまった。

悔しいが兄者はこんなんでも頭は良い方だ。
だから余計に教えられる事にイライラする。

「アンタのユニットの何だっけ…アドニス君だっけ。その子のとこに行ってきなよ～。
俺は一人でやるから」
「アドニス君の所にはお姉さんがいるじゃろ？
家族の時間を邪魔する訳にはいかんわい。
ほれ、この問題はここをまず計算したら簡単に答えが出てくるぞい。凛月や、やってみておくれ。」
「ﾁｯ…」

やけくそになって問題を解いていく。

こんな問題兄者なんて居なくても解ける。
こいつなんて居なくても、居なくても…！

「おお、正解じゃ！流石凛月じゃの♪
凛月は要領が良い。直ぐに頭に入るんじゃな。」
「…ねぇ。アンタさぁ～…。」
「どうしたんじゃ？」

俺が兄者と目を合わせるとこっちの心情も知らずにヘラヘラと笑みを浮かべる兄者。
あぁ、イライラする。

「アンタ、忙しいんじゃないの？」
「…何故じゃ？」
「今日はユニットリーダーの会議の日だよねぇ？
それ位俺も知ってるよ。」

ス～ちゃんから聞いた。
丁度授業参観の日に会議があって授業に出られないんだって。
そんな大事な会議ほっぽり出して何やってる訳？
この老害は。

「…俺は来て欲しいとか言ってない。帰ってよ」
「…凛月や、吾輩は凛月が授業を受けている所を見たかったのじゃ。
それに吾輩が来なければ凛月は一人きりじゃよ？」

そんな優しさ要らない。
俺は元々一人でいる方が気が楽だし慣れている。

「突然どうしたんじゃ、そんなに来て欲しくなったのかや？」

兄者なんか大嫌いだ。反吐が出る程嫌いだ。

「凛月、返事をしてお」
__「帰れって言ってんの！！！」

ガタッッ

ーでもそれ以上に自分が嫌いだ。

「り、凛月やどうしたんじゃ、？
授業中じゃぞ、座らんか」

「くまくん…？」

「どうした朔間。何かあったのか？」

突然立ち上がった俺に皆が不思議な顔をして見る。

「兄者なんか嫌いだ…！！」

「凛月！！」

胸の奥から込み上げてくる何かを堪えて俺は教室を飛び出した。