先輩後輩の関係《瀬名泉＆神崎颯馬》 ページ1
｢あ、あいらいくふぃっしゅ、ないすとぅぅみぃとぅー｣
｢ちょっとぉ？食べ終わったのならさっさとどっか行ってよねぇ？邪魔なんだけど｣
午前の授業が終わり、昼食を摂ろうと賑わう食堂。
1つのテーブルに食べ終えた定食の食器を真ん中に置き、教科書を広げている1つ括りの男子生徒に声を掛ける。
｢我の事であるか？｣
｢アンタ以外誰がいんの？アンタ、蓮巳の所の2年生？｣
｢蓮巳殿を知っているのか？｣
｢同じクラスだよ。颯馬君だっけぇ？
そこにずーっと居座られると迷惑なんだよねぇ。｣
久しぶりに食堂で昼食を摂ろうと思ったら何処も満席。
本当チョーうざぁい！
おまけに混んでいる事分かってるのに退けようとしないこいつが気に入らなくて声を掛けてしまった。
それがたまたま蓮巳の所の末っ子、神崎颯馬君だった。
こうやって1対1で話すのは初めてかも。
｢すまぬ。勉学に集中していて周りが見えていなかった。切腹でお詫びしよう。｣
ギラッ
そう言って腰の刀を抜く颯馬君。
｢は！？ちょ、アンタ馬鹿なの！？
頭おかしいんじゃないの！？刀を常に持っているのは知ってたけどいきなり抜かないでよねぇ！？
俺の綺麗な顔に傷でも付いたらどうしてくれる訳ぇ？｣
｢確かにこの様な場所で抜刀するのはもらるに欠けるな。あどにす殿からも言われたな。｣
｢…アンタ、英語苦手なの？｣
最初の英文を読んでいた時から思ってたけど…。
発音がおかしくてムズムズする。
この学院には常識の知らないおかしい奴しかいない訳ぇ？
｢情けない事に我は英語なる物が苦手なのである。
日本語なら簡単なのだが…｣
｢そりゃ日本人なら簡単でしょぉ。
うちの末っ子…かさくんと正反対って訳ね。｣
｢そう言えば其方はないつの瀬名殿であったな。｣
｢俺の事知ってるんだねぇ。まぁ知らないなんて言わせないけど。
そんな事より英語、教えてあげるから食器返して来なよ。｣
｢！良いのであるか！？｣
そう薄紫の瞳を輝かせる。
何だろう。この子、話してて嫌な気がしないんだよねぇ。
寧ろ頼りにして欲しいというか。
まぁ俺はゆうくん一筋だけどぉ？
でもたまには先輩面するのも良いかもね。
｢良いよ。お兄ちゃんに任せなよ。｣
｢我に兄は居ないので新鮮である！感謝する、瀬名殿！｣
｢はいはい。分かったら食器片付けに行くよ。｣
｢合点承知！｣
ー新しい弟が出来たみたいでこれはこれで良いかも…♪
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作者名：そら | 作者ホームページ：https://twitter.com/Sora_Ux_xUoO
作成日時：2021年7月12日 1時
