【文スト】トリップとやらをしてしまった私は、取り敢えず折原に似ていた男を殴った。

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気づくと、あたりは全く見慣れない風景。

何処かモダンな雰囲気がする。

此処は池袋じゃないと気づくのに、そう時間はかからなかった。

現代の日本でも、こういう所はまずない。

混乱している頭の中に、ふと、ムカつく彼奴の言葉がよぎる。

《最近、〝トリップ〟っていう現象が起きてるらしい。何処か別の世界に行ってしまうようだ。ま、そんなことあるわけないけどね♪》

『あー……これが噂の〝トリップ〟ってやつか…』

路地裏に座り込み、煙草を取り出す。

何で私なんだよ、という考えしか浮かび上がらない。

「…貴様、何者だ」

誰かが私に声をかけた。

『んあ？……てめぇまで来んなよ折原ァァ！！！』

「フグッ？！」

つい何時もの癖で顔面を殴った後、私は気づいた。

『……あ、此奴折原じゃねぇ』

倒れこんでる折原に似た奴を見て、暫くの間悩んだ。

……結果、此奴を背負って表通りに出た。

『…やっぱ池袋とは違ぇなぁ……本当にきちまったよ』

池袋とは違う喧騒に包まれたこの街を眺めながら、歩く足を早めた。執筆状態：連載中