検索窓
今日:16 hit、昨日:9 hit、合計:116,797 hit

NO.27 ページ29

どんなに寒くても楽と居られる事が嬉しいAは、もう寒いなんて事は忘れてしまっている。





だが久し振りに会った楽は顔が赤く様子が可笑しいという事に、Aもさすがに不思議に思った。





「どうしたの?今日何か変じゃない?」





「…別にいつもと変わんねえよ。」





先程から全く目を合わせないので顔を覗くが、逸らされて素っ気ない返事をされてしまう。





それが妙に心に刺さり、らしくもなく落ち込んでしまうAは、目に一杯の涙を溜めて楽に問う。





「…私の事、嫌いになっちゃった?」





「は!?」





予想しなかった発言と今にも泣きそうなその声に楽は戸惑いを見せる。





「いや、別にそういう訳じゃなくてっ!」





必死に弁解の言葉を探して目線を漂わせる楽は、先程の事を思い出し顔が真っ赤になる。





流石に眠っているAにキスした事を言える訳はなく、どうしよう…と悩むが、体にくる暖かい温もりに驚いて頭が真っ白になってしまった。





「…お願い。楽は私の事嫌いにならないでっ…。」





その初めて聞いたすがるような悲しそうな声に、楽は驚きを隠せない。





その時、楽は初めて気付く。





自分はまだAの事について全然知らない。





親の事も、どういう境遇で育ったのかも、姉弟の事も、まだ自分は知っているようで、Aという一人の人間を知らないという事を…。

NO.28→←NO.26



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (91 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
244人がお気に入り
設定タグ:IDOLISH7 , 八乙女楽 , 長編   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

琳架 - オリジナルフラグを外してくださいね。 (2018年3月17日 12時) (携帯から) (レス) id: c9d4810d09 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:月神姫 | 作成日時:2018年3月17日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。