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__カチッ
総悟に背を向ける土方は煙草を取り出すとライターに火を灯した
無機質なライターの音に負けないくらいに、土方は無機質な声で総悟にこう告げたんだ
―土方「……取引は明日の晩だ。刀の手入れしとけ」
((シュボッッ…
土方が火を付けたのは彼が咥えた煙草だろうか。
それとも……――
総悟「ッ……てめぇッッ……土方ァァァァァ!!」
…総悟の、怒りだろうか。
そんなの一目瞭然。総悟の叫び声から分かる。
誰がどう見ても、彼はどうしょうもない程怒りに燃えていた
総悟「うぁぁああぁぁ!!!」
怒り狂った総悟は感情任せに土方の背後から襲いかかった――
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ミツバ「皆、江戸で一旗上げるって本当?」
土方「……誰から聞いた」
ある日の夜。
虫の鳴き声が微かに聞こえる静かな夜に、鈴虫のような透き通った声が土方にそう質問した。
彼女の質問に、土方は何も答えずぶっきらぼうに質問を質問で返したんだ
ミツバ「そーちゃんが昨日意気揚々と話してたから…」
それでも怒らず、正直に答えたミツバに、土方は何も言えなくなった代わりに、話を漏らした総悟に”あの馬鹿……“と呟く
ミツバ「……ねぇ…、私も、連れてって…」
もじもじと、言おうか言わないか。迷った末に遂に切り出した言葉。
ミツバは心の奥底にしまっていた思いを、思い切って土方に零したのだ
ミツバ「だって私は、そーちゃんの親代わりだもの。
Aちゃんも、本当の姉妹みたいなものだし…。
あの子達には私がいないと……」
それに……、と言葉を続けるミツバは一旦躊躇って…。
不安を打ち消そうと、着物の裾をギュッと摘む
ミツバ「……それに私は……皆の……、
…十四朗さんの側にいたい」
彼女の告白は、夜の冷たい空気をきって、真っ直ぐ土方に届いた。
……届いた筈なんだ
土方「………知らねーよ」
土方「知ったこっちゃねーんだよ。お前のことなんざ」
それでも奴は知らん振り。数年前と変わらない答えだ。
土方は叩き伏せたんだ。ミツバの淡い恋心も、総悟の願いも。
あの人変わらない背中を睨みながら総悟は地に伏せた
総悟「ケホ……、気に……くわ…ねェ」
呪言のようにその言葉を残して、総悟は意識を手放した
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バナナ(プロフ) - honoさん» お待たせしてごめんねぇぇ…すごい時間かかったけど戻ってきたよぉ、お話書くの頑張るねぇ……。コメント、ありがとございますぅぅ!! (9月12日 15時) (レス) id: 25349aa23d (このIDを非表示/違反報告)
バナナ(プロフ) - み○きーさん» うわぁぁあん、こんなに長くお待たせしてしまってごめんなさぃぃ…続き待っててくれてありがとぉ……コメントもありがとぉぉ…… (9月12日 15時) (レス) id: 25349aa23d (このIDを非表示/違反報告)
バナナ(プロフ) - よのやさん» たいっっへん長らくおまたせしましたァァァ!!!ミツバ篇、感動の回になるようにお話を考えますので、何卒、何卒ぉぉ…!あったかいコメントありがとうございますぅぅ!! (9月12日 15時) (レス) id: 25349aa23d (このIDを非表示/違反報告)
hono - このお話、大好きです︎🫶🏻更新待ってます!! (2023年4月10日 2時) (レス) @page38 id: 7d61f04700 (このIDを非表示/違反報告)
み○きー - 続き楽しみです!待ってま〜す! (2023年3月31日 22時) (レス) id: e1b7b0a3ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バナナ | 作成日時:2022年4月6日 21時