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《ASide》
遂にこの日が来た。
身支度を既に終えて、風呂敷一丁に必要なものだけを詰め込んだ私達は武州を発つべく道場を出た
·····ていうのは他の皆であって、私は発つまでの時間ギリギリまでこの道場に残っている
廃れた道場に一人、ポツンと佇んでいると今まで過ごしてきた思い出が鮮明に甦ってくるみたい
私達の思い出が沢山詰まったこの道場は、今ではスッカラカンとしていて寂しく思う
『まさかものの一瞬で此処が潰れちまうなんてな』
独り言言ったって返事があるわけがない
なんせ独り言なんだから
この道場にはもう誰も居るはずがない。
そう思っていた
後ろから声をかけられるまでは。
ミツバ「あ、やっぱりここに居たのねAちゃん」
『オッッッッヴァッッ!??』
突然の声に後ろに仰け反るがなんとか堪えた
恐る恐る後ろを見ると、ミツバさんが道場の扉からヒョコリと顔を覗かせていた
·····あ〜ビビっt、、てなんかないし!!!?
ミツバ「もう、近藤さん達心配してたのよ?
いつになっても戻ってこないって」
『あぁ、もう出発の時間か。
ごめん今行く』
ミツバ「近藤さんが、もしかしたら下痢してトイレから出られなくなってるかも知れないから私に見てきてほしいって言ってたけど·····
もう大丈夫?」
『ミツバさん。ゴリラの戯言は真に受けなくていいから』
近藤さんのとんでもない勘違いを真に受けているミツバさんに食い気味に言い放つ
どうやらゴリラの頭の中では“人が来ない=大便”という方程式が出来てるもよう
いや普通に傍迷惑だワ
『でも、わざわざ此処まで来させてごめん。
もう少し道場にいたいって思ってたら時間忘れてた』
ミツバ「Aちゃんはここの道場大好きだったものね。そう思うのも仕方ないわ。
そんなAちゃんも、武州から離れちゃうなんてね····」
『·····それは、ごめん』
ミツバ「ううん、謝らなくていいの。
Aちゃんが決めたことだから。私はそれを応援しなくちゃ」
“だから大丈夫”。そう言って笑うミツバさんが無理しているようにも見えた
一緒に江戸へ行こう。そんな言葉が浮かび上がっては喉の奥へ吸い込まれていく
ミツバさんを置いていくのが辛いのは私だけじゃないから
皆で決意した事だから勝手なことは言えない
だから、本当にごめん
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バナナ(プロフ) - honoさん» お待たせしてごめんねぇぇ…すごい時間かかったけど戻ってきたよぉ、お話書くの頑張るねぇ……。コメント、ありがとございますぅぅ!! (9月12日 15時) (レス) id: 25349aa23d (このIDを非表示/違反報告)
バナナ(プロフ) - み○きーさん» うわぁぁあん、こんなに長くお待たせしてしまってごめんなさぃぃ…続き待っててくれてありがとぉ……コメントもありがとぉぉ…… (9月12日 15時) (レス) id: 25349aa23d (このIDを非表示/違反報告)
バナナ(プロフ) - よのやさん» たいっっへん長らくおまたせしましたァァァ!!!ミツバ篇、感動の回になるようにお話を考えますので、何卒、何卒ぉぉ…!あったかいコメントありがとうございますぅぅ!! (9月12日 15時) (レス) id: 25349aa23d (このIDを非表示/違反報告)
hono - このお話、大好きです︎🫶🏻更新待ってます!! (2023年4月10日 2時) (レス) @page38 id: 7d61f04700 (このIDを非表示/違反報告)
み○きー - 続き楽しみです!待ってま〜す! (2023年3月31日 22時) (レス) id: e1b7b0a3ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バナナ | 作成日時:2022年4月6日 21時