女だけど真選組総長やってますが何か？ ６

ミツバ篇　　　　序章 ページ1

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＿夢を見ていた気がする
















？「はい出来た。
Aちゃん、ちょっとこれ着けてみて」



『ぅおっ？·····ンだこれ』




？「ふふ、それは花冠って言ってシロツメグサで編んだ髪飾りなの」






確かその日は“あの人”と内緒で原っぱに行っていたと思う

体が弱いのに、近藤さんにも土方にも総悟にも何も伝えずに此処に連れて来られた





頭に何かを乗せられて声を漏らすと可笑しそうに笑われた




初めて見る花冠

白い花と緑のクローバーで編み込まれた輪っかをしげしげと眺める私に微笑むあの人







同じ女である私でも目を奪われるようなその笑顔を目に焼き付けるようにジッと見てた










？「でもやっぱり、Aちゃんはこんな地味な花よりもっと綺麗な花が似合うんだろうな」



『地味？綺麗だよこれ』






ふわふわした白い花が、優しい緑色をしたその葉があの人にそっくりだった




もしこの花が地味だとして、それでもこんなに美しく見えるのはあの人が居たからかな




そう言えば、あの人は紅い瞳を見開くとすぐに笑顔に戻る



やっぱり綺麗だなぁ。










『私この花畑が好きだよ。綺麗だし暖かいし、野郎共に邪魔されないし』



？「こら、女の子がそんな言葉使わないの。
“野郎共さん”にしなさい」



『それ何も変わってなくない？』





綺麗だけど何処か抜けてる不思議な人だった。
だけどそういう人だから心を開けた








？「でもAちゃんが此処を気に入ってくれて良かった。
もし嫌いだったらどうしようって思ってたから」



『そんな心配いらないよ。私此処すごい気に入った』




また一緒来れる？と聞けば勿論と返してくれた









「でも此処の事は“総ちゃん”達には内緒よ？
あの人達に余計な心配かけちゃ迷惑になるから。


此処の事は私とAちゃんだけの秘密。
そしたらまた一緒に此処に来るって、約束してね」



『うん』





約束と言って小指を出すあの人に、見様見真似で小指を出す


すると白い指が私の指に絡められた








「指きりげーんまん嘘ついたら針千本のーます、指きった」



『針を千本飲むの！？』




突然の歌に首を傾げたが恐ろしいフレーズに飛び退いた





あの時は世間知らず過ぎて知らなかったが、こういう儀式みたいなものらしい



あれから何十年も経ったけどまだその約束は果たせてない


本当に針千本飲まなきゃならないのかな―――

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