オアシス ページ7
｢…なに……！？｣
ンドゥールは、自身が持っていた杖を弾かれる感覚を覚えた。強い衝撃ではないものの、不意をつかれた為か杖を落としてしまう。
これでは音が聞こえない
慌てて杖を探す。が、しかし。それよりも、何よりも早くイギーのスタンドがンドゥール本体を攻撃した。
砂が作り出す刃は、水を繰り出す能力よりもはるかに怠る。しかし、致命傷を与えるのに、その少しの力の差は関係の無いものであった。
【ンドゥール スタンド攻撃により致命傷、後に自害】
☆
｢なんて危ない事をしているんだ、君は！！｣
戦いから戻ってきた私に、花京院は大きな声で怒鳴ってきた。
｢…やれやれだぜ。お前のスタンドは攻撃タイプじゃねえ……今回は”上手くいった”が、身勝手な行動はやめておけ。｣
｢ビビったぜ、車の中に居たはずのAが突然飛び出して走っていくからよ……。俺ら、もう仲間だろ？お前一人が飛び出しても倒せなかったかもしれないんだぜ。頼ってくれよ…？｣
3人に説教をされてしまった。私は、3人が言っていることが全て正しいことだとわかりながら、起こした行動に反省をしつつも、その説教を受け入れた。
｢まあ、結果オーライってことでいいじゃないか。良くやったな、A！｣
ジョースターさんが肩に手を置いては褒めてくれる。アヴドゥルさんも、あの3人も、だ。
｢今日初めて会って、しかも少ししか時間が経っていない相手にそこまでのことが出来る事は感心するよ。でも…なんで突然走り出したんだい？誰かが攻撃を受ける予知が見えたりしたのかな…｣
花京院が不思議に思いながらも、そう訪ねてくる。
｢そ！それは……か、花京院さんとアヴドゥルさんが攻撃されるのが見えて……あ、あの、花京院さんは目、アヴドゥルさんは首を切られてて……｣
気付いたら行動していた。
そう続けようとした。だが、その前に
｢て、事は僕とアヴドゥルさんを助ける為に取った行動……という訳か……｣
と花京院が口を挟んだ。
｢…やれやれだぜ。｣
花京院はAに背を向ける。その耳は真っ赤で、照れていたのかもしれない。
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作者名：別離/ | 作成日時：2018年5月25日 10時
