日常記録3【爆豪勝己】 (ページ29)

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貴｢ん、届かない

しゃがんでよ｣

瀬｢瀬呂くんもさすがに緊張してきた｣

もっと飲んどきゃ良かった、と照れくさそうにする瀬呂に私も釣られてこっちまで恥ずかしくなってくる

貴｢そ、そんなこと言わないでよ

せっかくノリで何とかなりそうだったのに｣

上｢ふたりでしゃべってねぇではやくはやくー｣

上鳴ののぼせた声をに、どうにでもなれ！と覚悟を決め、少し背伸びをして目を瞑ったとき

グイッと引っ張られて足元がぐらつく

ビックリして目を開ければ視界には爆豪の顔と

唇が重なる感覚

貴｢へ……｣

上｢！？｣

芦｢きゃー！｣

緑｢かかかかかかっちゃんッ！？｣

爆｢こんでいいだろ

俺らは帰る｣

上｢なんかいろいろ違う…けどいいもん見れた！｣

上鳴の言葉を無視して店を出るまで腕を引かれた

追いつかない頭は疑問を投げることもできずされるがままに爆豪に合わせて足を動かす

貴｢ねっ、ねぇ！｣

爆｢ンだよ｣

店前で電話でタクシーを呼び寄せた爆豪にようやく声をかけた

貴｢なっ、なにさっきの｣

爆｢あ？

アホ面の命令だろ｣

貴｢……私が瀬呂にするっていう命令だった｣

爆｢変わんねぇだろ｣

店の前についたタクシーへ｢はよ乗れ｣と私を押し込む

どこかの住所を勝手に運転手に告げて車は走り出した

貴｢ちょっと、どこ行く気？私の家と真反対

送ってくれるんじゃないの？｣

爆｢言っただろーが｣

なにを、とさっきから爆豪の行動の意図が読めなくて不機嫌に顔を除けば

不意に私の手を爆豪の大きな掌が覆い、ゆっくりと指を絡めとる

ビクッとして絡んだ手から爆豪に視線を上げると、勝ちた誇った笑みが車窓から差し込む月明かりに照らされた

爆｢気ィ抜いてっから持ち帰る｣