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そんなシーンを客観的に見つめる死体が一つ。彼女が言っていた村は古くから良く知っていて、そこで暮らしていた多くの女性とは面識があった。

その多くは彼女と同じような内容で村から離れた者ばかり。

何千年もの間眠るAさんを救うために今までなんども魂を刈り取ってきたが、上手くいった試しは一度も無かった。


「A。Aはこの村から決して出てはいけないよ」
「どうして?」
「…それは言えないけど。でも、何があっても僕が守るから」


先日のような感覚の数年前。彼女はまだ小さくナイトと約束をしている場面に出くわした。

名が同じ。そして偶然にも容姿も似ていた彼女だったらもしかしたらAさんを目覚めさせる事ができるかもしれない。


彼女がこの場に来るのは偶然ではなくても必然だ。


時に人は自分の能力が生かせない場で留まることを拒むことがある。現代の女性はそう強く思うことが多くある程度の年齢を重ねれば村が嫌になって出てくるのは分かっていたことだった。


「Aさん、少し片付けをしてきます。まだゆっくりしていてくださいね」
「ふふ。センラくんは昔から過保護だなぁ」
「あなたは直ぐに無理をしてしまうから」
「分かってる。……でも、早く帰ってきてね?」
「はい。わかってます」


Aさんにもう一度キスをして脱力仕切った彼女を抱えて部屋を出る。


「Aさんのこと、頼みますね」


FOXにそう告げて地下へと歩を進める。白骨化した元村人と同じ場所で生活させるように彼女を横にさせる。Aさんによく似た彼女。殺すのを少し躊躇ってしまったが、やはりAさんには変えられない。


「僕が愛する人は、この先も一人だけ」


その為の嘘なら何度でも繰り返し、その為犠牲は仕方ないとすら思う。

孤独を狙った企みに引っかかる女どもが悪い。


「大人しく愛だけ受け取ればこんな目には合わんかったのにね」


失って初めて気づく愛の重さは取り戻すことは不可能だ。
愛とは貪欲になればなるほど不幸になるものなのだから、精々自分の価値観弁えろ。






「Aさん、愛してますよ」
どうかあなたは貪欲にならずに僕を振り回して。

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sakako(プロフ) - え、え、好きです…!どタイプです!!素晴らしいお話たちを読ませてくれてありがとうございました! (2019年11月2日 12時) (レス) id: d08b40b16f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:作者一同 x他3人 | 作者ホームページ:なし。  
作成日時:2019年9月19日 18時

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