【３】路地裏から拾いまして【浦.島.坂田.船】 (ページ20)

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警察「すみません。不審な男2人を見ませんでしたか？」

『……』

さ「見てへんなぁ。」

先程の警察2人とは違い、今の人は歳がいっている男の人。…嫌な予感

『不審な男…？何かあったんですか？』

警察「詳しくは言えませんが、路地裏で事件が起こりまして。」

さ「んー、性別と見た目は？」

警察「１人は声の高い男性。もう1人も男性。そして2人とも、あなた達みたいな真っ黒い服を着ているのが確認済みです。」

さ「…疑っとるん？」

警察「少しお話を聞きたいだけです。」

…この服装、裏目に出ちゃったか。路地裏は真っ暗だし、動きやすいと思ったんだけど…

『今日はおそろコーデでデート中なんです。そしたら、気分が悪くなってしまったので…』

警察「ここで休んでいたと？ですが、おかしいですね。街にもベンチはたくさんあるはずですよ。…日陰もついてる、ね」

この人、本当に疑ってるのかな。…でも、あと少し

『ふふっ。残念ながら、私は女ですよ？』

さ「見てわからんの？まふは高身長の筈やけど？」

『…ぁ』

警察「まふ、とは？」

さ「ぁ」

坂田さん！！！

警察「確か不審者の1人はまふまふ、というおとこです。…私は名前を出していないはずですが？」

さ「(やっべ)」

『(どーしてくれるんですか、もー)』

警察の人は、先ほどよりもこっちをじーっと見てきた。

警察「署で詳しく聞いても？」

『……』

「お話の途中、失礼。」

警察「！？…知り合いの方ですか？」

「従兄弟の、世に言う…ヤー公でーす」

『…なるせ』

本当にいいタイミングだね。