政務官殿の憂鬱【マギ】

Ｎｏ．7 ページ8

*マスルール





Aから相談をされたのはつい最近




「あの、マスルールさん。
今度の調達一緒に着ていただけませんか？」


『…かまわない。が、ジャーファルさんじゃなくていいのか？』




普段はたしかジャーファルさんと行っているはず
それがなぜ突然俺になったのか




「それは…、出発してからお話してもいいですか？」




袖で口元を隠し目を伏せて言うA
顔が赤いのは気のせいだろうか




〜





『…それで、今回俺を選んだ理由はなんだ？』




ジャーファルさんに見送られ
船に揺られながら理由を問う

またAは口元を隠し目を伏せた







「実は_____。」







意外な理由で驚いた







『そうか…、わかった。』



ジャーファルさんも大変なんだな…と実感した
今度仕事でも手伝おうか…いや、また文書を失くして叱られるだろうからやめておこう

俺の今の仕事は調達の間Aを守り抜くこと
そしてAをシンドリアへ無傷で帰すこと

Aは回復魔法の使い手
回復魔法の術式は難しい…らしい
その力を手に入れたがる者は数多く

Aもシンドリアの外ではよく標的にされる




《あのシンドリアの“医務官”だ》




片時も目を離してはいけない
ジャーファルさんのためにも
Aのためにも






*

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