政務官殿の憂鬱【マギ】

Ｎｏ．4 ページ5

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「そういえばそろそろ夕食の時間ですね。
私、先に行って準備を手伝ってきます。」


「そうか、よろしく頼むよ。」




そういって足早にAは私の部屋を後にした

まるでシンから逃げるかのように





「…随分と嫌われてしまったものだ。」


『当たり前でしょう。
酒飲んで酔って、薬を持ってきた医務官にすらセクハラする、貴方はそういう人なのだから。』




そう、この人は過去に何度も酔っ払って
手当り次第に女性へ甘い言葉を投げかける

そして酔いが回り、足元がおぼつかなくなってくるとAが酔い醒ましの薬を持ってきてくれるのだが

薬を渡すために差し出した手を両手で包み込み
あろう事かその手を撫でくり回す

最初の頃は「シンドバッド様もお疲れなのですね。」と苦笑していたが

最近は仕事以外でシンを目の前にするとそそくさと何処かへ行ってしまうようになった


そう、シンは避けられている


私としてはAがシンにちょっかいを出される心配もないのでそうしてもらえるとありがたい



「人聞きの悪いことを言わないでくれ。
あれは部下とのスキンシップ…いや、親睦を深めるという意味で…」


『はいはい。』


「なんだジャーファル！その言い方は！
さてはお前、妬いてるな？」




あぁ、やっぱり気づいていたかこの人は




『…えぇ、妬いていますとも。』


「安心しろ、応援しているさ。」





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