【名探偵コナン短編集】

バーボン ＊ 本気で.続 ページ33

あるバーのカウンターでAは頬杖をついて
待っていた。

その相手は...

バ｢お待たせしましたローズ...いや、
Aさんとお呼びした方がよかったですか？｣

チャリンと扉が開いて姿を見せたバーボンを
冷めた目で見る。

『...じゃあ私も、降谷さんとお呼びした方が？』

それを聞いてバーボンは少し瞳を大きくした。

バ｢意外ですね。もう本名が割られるとは｣

まぁあの人から聞いたんだけどね...とAは
グラスに口をつけた。

バ｢ホワイトローズ｣

隣に腰掛けたバーボンがマスターに注文をする。

バ｢Aさんのは...ジンですか？ライ？...それとも
バーボン？｣

『...シャルドネ』

それだけ答えて最後の一口を飲み干した。




地下駐車場でバーボンの車に乗りベルモットからの
指示を待つ。

潜入先はあるホテルのパーティ会場。そのホテルの
オーナーにどうやら組織のUSBを盗まれたらしい。

それを取り返すのが今回の任務だった。

窓の外を見ながらジッと考えるA。

...もしそのUSBを...

バ｢コピーする事ができれば組織の情報が
手に入る...｣

『っ！』

耳元で声がし驚いて振り返るとバーボンがにこりと
微笑んでいた。

『何言って...』

バ｢違いましたか？｣

Aは反論できずに口を結ぶと、再び窓の外に
視線を移す。

『公安には関係ないでしょ』

そう言うとバーボンは

バ｢関係ありますよ...恋人ですから｣

と低くAの耳元で囁き、頬に手を添えて無理やり
自分の方に向かせ

『っ...！』

Aの唇に自分のソレを重ねた。

ザー...ザーザー...

バ｢『！』｣

その時、トランシーバーから通信が入った。

べ｢ハァイ。お取り込み中 悪いわね｣

『...』

どこかで見られてる、と気づいたAは
窓の外を探した。

べ｢安心して、他言はしないわ。それよりも...
動いたわよ｣

ベルモットの言葉にバーボンと目を合わせる。

『了解』

ピッと通信を切って車から降りた。

コツ...コツ...と息を潜めて向かった先は
ホテルの駐車場の奥の古びた倉庫。

シャッターは既に開けられていて中には埃を
かぶったダンボール、書類...C4やライフル...

そこに、パソコンをいじる人影が...

カチャ

バ｢そこまでですよ...｣

｢!!｣

バーボンの声に肩をビクッとして恐る恐ると
振り返ったのは

バ｢ソルティ｣

表向きはホテルのオーナー。

裏の顔は黒の組織のメンバー、ソルティ。

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