【名探偵コナン短編集】

＊ ページ23

『ど、どうしたの新一...？』

胸を抑えて苦しむ新一。

新｢ううっ...く、そ...こんな時に...！｣

『...新一？新一、どうしたの？...すごい汗...』

苦しむ新一にどうしていいか分からなくなる
A。

『ねぇ大丈夫？...とりあえずここから出ようよ！
サプライズなんて言ってる場合じゃ...』

そう言ってグッと新一の腕を掴むA。

しかし新一はその手に自分の手を重ねて止めた。

新｢い、や...俺はいい...！お前だけ出てってくれ...｣

ハァハァと苦しむ新一にAはキッと睨んで
言った。

『何言ってんの...！新一をほっとけるわけ
ないでしょ...！』

そう言ったAに新一は手を伸ばして


『...んっ...』


キスをした。10秒ほど唇を合わせた後、
新一はふらふらと立ち上がってAの腕を引くと

バンッ、と思い切り物置からAを追い出した。

『ちょ...！』

再び中に入ろうとした時、

蘭｢A！よかった見つかって！｣

園｢もう！何かあったと思って心配しちゃった
わよ！｣

『ら、蘭...園子...』

すると物置から｢ぐあああっ！｣ という声が
聞こえた。

『し、新一！』

蘭｢え？！ここに新一がいるの？！｣

どうやら遠くにいた蘭達には
聞こえなかったようだ。

『あ...いや...』

蘭は物置へ駆け寄っての扉に手をかけて勢いよく
開く。

...が。

蘭｢...誰もいないけど...｣

『...え？』

物置を覗くとそこには確かに誰もおらず
古い本やタンス、アンティークなどがある
だけだった。

『...ご、ごめん！嘘だよ！サプライズ！』

蘭｢もー何よそれ！びっくりしちゃったじゃ
ないの！｣

『は、はは...』

園｢まーったく。それより掃除しちゃいましょ！｣

A達は物置から離れて掃除を再開する。

その20分後。ふと、物置に目を向けると
そ〜っと、ゆっくりと扉が開いた。

まさか...と思い雑巾をぎゅっと握りしめる。

しかし現れたのは

『...コナン君...？』

コナンは周りをキョロキョロしながら物置から
出ると、一目散にドアへ駆けるが。

園｢ガキんちょ！何やってるのあんた！｣

と運悪く園子に見つかってしまった。

コ｢い、いや...遊びに...｣

園｢こんなつまんない所に？｣

あはは、と後頭部に手を置くコナンの腕には
赤い痕が。

丁度Aがつまづいて咄嗟に掴んだ所に。

Aはそれを見て、ふっと笑った。

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