【名探偵コナン短編集】

工藤新一 ＊ 返事はまた ページ21

工藤邸の書斎の掃除をしていた時の事。

Aは目の前の光景に目を疑った。

『.....新一？』

新｢...ようA。久しぶりだな｣

そこには今まで行方をくらませていた工藤新一の
姿があったからだ。

『久しぶりだな、じゃないでしょ！このバカ！』

新一に手元の本を投げつけて怒鳴るA。

新｢いっ、ちょ、バーロー！やめろって！｣

『あんた今までどこにいたのこのアホ！』

ドカッ、バサッと当たってくる本。

新一は慌てて本を投げるAの手首を掴んだ。

新｢悪かったって！ちょっと難解な事件が
あってよ...｣

『うわ！でた事件！この推理オタク！』

パッと新一の手を振り払うA。

『蘭にはもう会ったの？』

じろっと見るAに新一は気まずそうに
｢い、いや...｣ と答えた。

『なら早く連絡して蘭を喜ばせてあげないと！』

そう言ってポケットからスマホを出すAの
手を慌てて止める新一。

新｢ま、まて！蘭には言うな！｣

そんな新一を不審な目で見るA。

『...なんで？』

新｢え...と、蘭にはサプライズにしておきたいんだ。
...だから...｣

視線を泳がせて言う新一にAはぱっと
明るくなった。

『よかったじゃん！早速そのサプライズ
できるよ！』

新｢...は？｣

Aは楽しそうに投げた本を集めて言った。

『もうすぐでここに蘭と園子くるから！』

新｢...はあ？！｣

Aの発言に新一は目を見開いた。

『照れるなって！』

新｢な、なんで...だってお前今1人で...｣

『私がわざわざ1人で新一の家の掃除に来ると
思う？蘭に誘われたからに決まってるでしょー』

本を正しく元の位置に戻しながらAが
言った時。

蘭｢Aー！待たしてごめんねー！｣

玄関から蘭の声が聞こえた。

園｢ちゃーんとアイス買ってきたわよー！｣

ついでに園子の声も。

『あ！おー...んぐっ』

慌ててAの口を塞ぐ新一。

『んー！んんんーん！(何すんの！)』

新一は口を塞いだままAの腕を引っ張り
近くの物置に入り扉を閉めた。

閉めるとほぼ同時に蘭と園子が書斎へ入ってきた。

蘭｢あれ？おかしいなーここにいるはずなんだけど｣

園｢トイレかしら？｣

一方Aは、

新｢いいか...？大声出すなよ...！｣

と言われこくこくと頷いていた。

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