9話 憎しみ ページ10
〜紅郎side〜
弁当を間違って入れちまったようで、俺の弁当じゃなくてAの弁当が入っていた。
弁当を届けるために隣のクラスへと足を運んだ。
Aは席について、千秋の方を心配そうに見つめていた。
紅郎「A、弁当間違って入れてたみてぇだ。」
A「紅郎！……わっ！本当だ！私のは櫻子のになってるし！」
名前を呼ぶと、ハッとしたように鞄を漁りだしたA。
やっぱ、全員の弁当があべこべになってるみてぇだな。
A「紅郎、一緒に届けに行かない？」
紅郎「おう、別にいいぞ。」
きっと、千秋のこと聞きてぇんだよな。
A「紅郎、千秋のことなんだけど……――」
紅郎「去年もこの時期はああなってた。弁当も自分で作ったようで、グチャグチャになってた。制服だってグチャグチャだ。」
A「え…………？！」
紅郎「あてつけ、だろうよ。千春が死んだことの。」
そう言うとAは固まってしまった。
A「あて、つけ…………？何でっ！あのことについては千秋には何の責任もないじゃん！」
涙目で、叫ぶように言うA。
その通りだ。
紅郎『千秋、何で何も言わねぇんだ？一時とは言え、育児放棄に近いだろ？』
千秋『仕方ないんだ、俺は千春と違って”出来の悪い息子“だから………。それにあのとき、千春は俺を庇ったせいで死んだんだ………。俺は』
千秋には、何の罪もない。
なのに――――
千秋『人殺し、だから…………。』
千秋は人殺しなんかじゃねぇ。
アイツの親は何を考えてるんだ？
自分の息子を苦しめて、おかしいと思わないんだろうか。
千春を殺したやつも許せねぇが、何より千秋の親が１番許せねぇ。
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Fine(プロフ) - 素晴らしい作品をありがとうございました……凄く感情移入しちゃって途中からずっと泣きながら読んでいました。頑張って乗り越えた千秋達にはもうずっと幸せに暮らしていってほしいです。本当にありがとうございました。 (2021年6月29日 23時) (
レス) id: f4f4fca585 (このIDを非表示/違反報告)
weasel(プロフ) - 最後の方とても感動して涙出てきました！ (2018年1月28日 0時) (レス) id: f640e5d017 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まこと | 作成日時：2017年10月12日 16時
