雨音 ページ44
「あ、すみません..」
恥ずかしくて
平然を装うように
その場を離れた
頭のなかは コーヒーのゆげのように
フワッと現れてスッと消える
先輩の真剣な表情
こうしてあっという間に
時間は過ぎていく
私の金曜日は とても短い
また来週
そう思うと なんだか虚しくなるんだ
７日 ... 長い。
その間 先輩は何してるのかな
コーヒー飲んだりしてるだろうな
そんな事ばかり考えてしまう
「お疲れ様」
腰にまいたエプロンをはずす姿さえも
格好よく見えてきた私は重症かな
ついに本気で惚れてしまったみたい
..だとしても次会えるのは 来週だね
「さよなら」
そっけなく挨拶し
荷物を雑に抱えまとめ
扉をあけた
薄暗い空
「雨...？」
緩やかに音をたてるくらいの
小雨
傘なんてないけど
走ればいいや。
そう思った私はカバンを頭の上に上げた
「何してんの」
聞き覚えのある声に見上げる
「あ..先輩..」
驚くわたしを見て
不思議そうに見つめてくる
「雨強くなってきたみたいだね」
隣でクスッと笑う先輩
雨の音は無惨にも
私たちの声をかき消す
「さよなら！」
なんでこんなにも素っ気なくしてしまうのか
自分が自分で嫌になる
とにかく緊張しすぎて会話なんて
続かない
急いで道路に出ようとしたの
「待って。」
雨音に埋もれて
かすかに聞こえた声
「はいってけば？」
傘を開きながら
私のもとへと歩いて来るのは
たしかに私の憧れの ジン先輩だ
夢かな。
「ほら」と、私をスッポリと覆い隠すように傘に入れると
いつも様に小さく笑うんだ
どうしようか。
すぐ横を見れば
ジンさんの綺麗な手があるんだ..
少し上を見上げれば
ジンさんの横顔が ..
うつ向くしかない私
神様〜どうしたらいいですかㅠㅠ
「あ。もしかして緊張してる？」
胸に突き刺さる言葉。
そうです。図星です..
「いいえ。別に。」
歩きましょう と足を進めると
慌てて着いてきてくれる先輩
本当は心臓の音がジンさんに
聞こえてないか心配なくらいだよ。
「なんでさ、そんな早歩きなの」
「じゃあ気を付けます」
知らないうちに心臓の音と
足を出すリズムは重なっていたんだ
少しの沈黙が胸をかき乱す
「...なんでそんな素っ気ないかな〜」
「..そんな事言ってたら雨で濡れますよ。先輩」
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まかろん(プロフ) - ﾇﾅさん» 少し変わったお話ですが！リクエストのお陰でストーリーの幅がひろがりました！ (2014年6月28日 2時) (
レス) id: 0522f7ff95 (このIDを非表示/違反報告)
まかろん(プロフ) - なつじんさん» ありがとうございます（＾＿＾）！グクのお話無事完結しました！ (2014年6月28日 2時) (レス) id: 0522f7ff95 (このIDを非表示/違反報告)
ﾇﾅ - ｼﾞﾐﾝちゃんのﾇﾅ嬉しいーー(*^^*)更新たのしみです♪ありがとうございます！ (2014年6月27日 8時) (レス) id: 94cddae186 (このIDを非表示/違反報告)
なつじん - ぐく ( ´Д` ) 泣きすぎて呼吸が ....。続き期待してます！ (2014年6月25日 8時) (レス) id: 75868ca315 (このIDを非表示/違反報告)
まかろん(プロフ) - アミさん» グクのお話、なんか思ったより切なくなってしまいました。鼻血 (2014年6月23日 23時) (レス) id: 0522f7ff95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まかろん | 作成日時：2014年6月11日 11時
