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ノックを3回。
返事を待たずして、重々しいその扉をゆっくり開ける。
「もうすっかり慣れた手つきですね。
いらっしゃいませ、監督生くん」
「へへ、お邪魔します」
学園長は勝手に扉を開けた俺の事を大して気にしていないらしく、学園長が読んでいたと思われる本をパタンと閉じながら俺の方を見た。
「さて、今日来ていただいた理由はですね……」
学園長は何故かニヤニヤとしながら俺を舐めるように見る。
「この後の言葉、聞きたいですか?聞きたいですよね?
教えて差し上げましょう!私、優しいので!」
まだなんも言っていないのだが……!
「はい、こちら!」
どこからが勢いよく引っ張った学園長の手にあったのは、そう、俺が前の世界で半分依存気味となっていた…………
「スマホ!!!!!!!!!」
「はい、正解です。
私のお古ですがね」
俺があれを見間違えるなんてしない!
何度も顔を合わせ、何度も別れをし、何度も再開した……スマホ……!!
この世界にスマホという存在があるのは十分承知していた。前にエースからマジカメというのを見せてもらったのを覚えている。
「え、貰っちゃっていいんですか……!」
「……本当は教育者として、あまり勉学に関係の無いものを生徒に渡すことはしたくないのです。が!
それはそれとして、監督生くんに何かあった時の連絡手段が無いということを…………えぇと…………寮長さん達に…………」
なるほど。脅されたのか。
「あぁ、でも。
もちろん、制限はかけていますからね。ディア・クロウリーという保護者名義で」
ウワ、要らない
……と声を出さなかった俺を褒めてほしい。
あれ、イデアさん辺り制限とかそういうのに詳しそうだな……あとで探して聞いてみるか。
---
結局、学校にいる内でイデアさんを見つけることができなかったため、制限を外すのは後日ということで監督生はオンボロ寮へと帰った。
「ふな!?それスマホか!?!
ずるいんだゾ!」
先に寮に帰っていたグリムが、俺の持っていた小型機械に気が付くとすぐさま飛びついてきた。
「へへーん、いいでしょー。
なんのアプリ入れるか迷うなぁ……」
「! なら、マジカメ!!
それで普段仲良くしてる奴らの投稿見たいんだゾ!」
「お、いいねー!」
さて、陽キャのアプリをインストールしますか!
アッグリムノニクキュウ、ソレスマホニハンノウスルンダ!?
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Ray - この小説を読むと暖かくて優しい気持ちになれるので大好きです!これからも更新頑張ってください! (2022年8月17日 0時) (レス) @page39 id: aecf2fd8ab (このIDを非表示/違反報告)
筆跡(プロフ) - レモンさん» コメントありがとうございます!私は監督生くんの年齢と離れているため、実際の口調と合っているか分かりませんでしたが 同年代の方にそう言っていただけて幸いです!これからも頑張りますー! (2022年8月8日 22時) (レス) id: defeff8d6b (このIDを非表示/違反報告)
レモン - 初コメ失礼します!前からこのお話は読ませて頂いております!!最新話、とても面白かったです。男主くんに年が近いのか親近感わきます、、、、、。英語がわからないのは辛いですよね、。これからもお体に気をつけて、頑張ってください!応援してます! (2022年8月7日 21時) (レス) @page39 id: 069557edb4 (このIDを非表示/違反報告)
筆跡(プロフ) - おいさん» コメントありがとうございます!あそこは私も書きながら笑っていました(笑) 更新頑張ります! (2022年1月30日 3時) (レス) id: defeff8d6b (このIDを非表示/違反報告)
おい(プロフ) - 最後みんなの心配さにホワッとして笑っちゃいました!笑 これからも更新楽しみにしてます! (2022年1月29日 23時) (レス) @page37 id: cdba16656d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:筆跡 | 作成日時:2022年1月13日 7時