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「ん゛ん゛ん゛……」
「監督生〜……まだ喉痛いんだゾ……?」
「うん゛、ちょっとね」
グリムの耳が垂れる。
あまり伝染らないように、と与えた簡易的マスクだが、グリムの付け方だとあまり意味を成していない気がする。
「ごめん、お茶汲んできて……」
「またか!?
これで7杯目だゾ」
「喉が痛いとこうなるんだよ〜」
「理解したくない痛さなんだゾ……」
グリムが俺から水筒を受け取り、部屋から出る。
が、扉が完全に閉まろうとした時。
「ふ゛な゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!?!?」
グリムの叫び声と共に、扉がまた開かれた。
で、そこにいたのg
「う゛ぉ゛ぉ゛!?!? ぁ゛、喉が」
三人のガスマスク集団だった。
ちなみに俺は今ので喉が完全にやられた。
「あら、アタシ達の美しさに今更驚かないでくれる?」
(多分)ヴィルさん、ルークさん、そしてエペルの(ガスマスクを付けた)三人がそこには立っていた。
---
「あれ程頼れって言ってたのに、周りに黙って喉やられてるのはどこの小ジャガかしら〜!?」
「おれ゛です……」
「わかってんならさっさと風邪、治しなさい」
「はい゛」
ルークさんもエペルも、二人して着くや否やどこかへ言ってしまった。この部屋にはヴィルさんと俺の二人しかいない。
「アンタね、自分で自分の体調管理しなさいよ?
もしできないって言うのなら、アタシがしてあげるけど」
「善処しま゛す……」
リドルさんにも同じことを言われたな、としみじみ思い出す。リドルさんからは食事管理の提案をされたが、なんか野菜しか出なさそうと丁寧にお断りした。
「お待たせ、監督生サン」
「ムシュー・姫林檎のお手製、すりおろしりんごだよ」
「美味かったんだゾ!」
いや、グリムも飲んだのかい。
コップ一杯に入った
スプーンを受けとり、ひとくち。
「!! 美味い゛!」
「ヨカッタ……!」
ヴィルさん達は、多分俺が寝るまでそばに居てくれていたと思う。
エペルやリドルさんとはまた違う、冷たくて、でもいい温かさがある手が俺のおでこをなぞった。
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Ray - この小説を読むと暖かくて優しい気持ちになれるので大好きです!これからも更新頑張ってください! (2022年8月17日 0時) (レス) @page39 id: aecf2fd8ab (このIDを非表示/違反報告)
筆跡(プロフ) - レモンさん» コメントありがとうございます!私は監督生くんの年齢と離れているため、実際の口調と合っているか分かりませんでしたが 同年代の方にそう言っていただけて幸いです!これからも頑張りますー! (2022年8月8日 22時) (レス) id: defeff8d6b (このIDを非表示/違反報告)
レモン - 初コメ失礼します!前からこのお話は読ませて頂いております!!最新話、とても面白かったです。男主くんに年が近いのか親近感わきます、、、、、。英語がわからないのは辛いですよね、。これからもお体に気をつけて、頑張ってください!応援してます! (2022年8月7日 21時) (レス) @page39 id: 069557edb4 (このIDを非表示/違反報告)
筆跡(プロフ) - おいさん» コメントありがとうございます!あそこは私も書きながら笑っていました(笑) 更新頑張ります! (2022年1月30日 3時) (レス) id: defeff8d6b (このIDを非表示/違反報告)
おい(プロフ) - 最後みんなの心配さにホワッとして笑っちゃいました!笑 これからも更新楽しみにしてます! (2022年1月29日 23時) (レス) @page37 id: cdba16656d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:筆跡 | 作成日時:2022年1月13日 7時